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アメリカ旅行記その8

どうも床下です。

 


この一連の記事は基本的に通勤中や仕事の休み時間に書いてます。

今日、昼休憩の時に書いていて隣の同僚に「ずっと何書いてるの?」と聞かれたので冗談で「SNSで色んなグラビアアイドルのおはよーポストにリプライしてます」と言ったらドン引きされました。

皆さんはどうでもいい嘘はつかないようにお気をつけください。(どうでも良くない嘘は、まあ程々に)

 


前回のあらすじ

ラスベガスとグランドキャニオンの中間地点、キングマンに辿り着いた床下一行。

ルート66を前面に押し出したダイナーで昼食を取るも、様々な要因により時間はどんどん押していく。

果たして一行は日没までにグランドキャニオンに到着できるのであろうか……。


2日目【Kingman〜Grand Canyon?】

苦渋の決断

キングマンを出てからは、グランドキャニオンへ向かって国道40号線を東に直走った。

実はというとキングマンからはアリゾナ州の州道66号線(ルート66)が東に伸びており、ここを走っていくこともできたのだが、ある程度地形に沿った形で道路が引かれているルート66を通る猶予は時間的に無かった。*1

結局、ルート66が衰退した過程を我々もなぞることになったわけだ。

本当は州道66号線にはセリグマンというピクサー映画「カーズ」の舞台となるラジエーター・スプリングスのモデルとなった街があり、ディズニー好きの俺としては寄ってみたい気持ちもあったのだが、それも完全にスルーした。*2

filmarks.com

 

40号線はひたすらに平らな荒野が続いており、変わり映えしない景色に我々は引き続きクイズや睡眠に勤しんでいた。

しばらく走るとジャンクションがあり、ここで州道64号線へと乗り換えた。

ここからはグランドキャニオンへ向かってひたすら北上することになる。

北上するにつれて、段々と草木や遠くに見える山々が増え始め、気候の変化が感じ取れた。

恐らくだが、高度が上がっていたのだろう。

64号線。綺麗な青空だ。

 

だがここで、我々はあることに気づく。

2日目はラスベガスからずっと快晴で、ほとんど雲ひとつない青空が広がっていたのだが、64号線を進むにつれて、我々が向かう先の空に部分的ではあるが分厚い雲がかかっていたのだ。

今までの道は荒野が広がっていたことから分かるように、高度が低く平野が広がっているために、雲が発生せず雨が極端に少ない。

だが、グランドキャニオンは高度2000 mに位置している山岳地帯、自ずと天気も変わりやすいのだ。

 

我々は思った。

「北の方に雲がかかり、道路は綺麗に北を向いており、そしてグランドキャニオンも真北にある」

「おまけに時間も押しており、日没にギリギリ間に合うかというところ」

「グランドキャニオン、いけるか?」*3

 

そんな疑心を抱きつつも、我々はいつの間にかグランドキャニオンへ続く最後の街、Tusayanに到着していた。

もう10〜20分も走ればグランドキャニオンが見えるかというところだが、分厚い雲はもう上空にあり、おまけに雷鳴や稲妻まで確認できた。

グランドキャニオンにはライブカメラも設置されていたのでスマホで確認すると、やはり雲がかかり、雨は降っていないもののあまり良いコンディションとは言えなかった。

 

ガソリンスタンドで用を足しつつ「グランドキャニオンに行くかどうか」の最終決定をすることとなった。

流石にグランドサークルの観光に来てグランドキャニオンを見ないという選択肢はないが、今行っても最悪のコンディション。

かと言って今後の日程でグランドキャニオンに寄ることは難しいのでは?

というような議論がなされたが、ここで誰かが言った。

 


「明日の朝は?」

 


2日目の宿は、64号線を逆戻りし、途中で東側に伸びる180号線に入ってしばらく走ると現れるフラッグスタッフという街に取っていた。

3日目はフラッグスタッフから89号線を真っ直ぐ北上してグランドキャニオンを超える予定だったが、グランドキャニオンから64号線を使って東に行くと89号線に合流することができる。

つまり、明朝フラッグスタッフから一度グランドキャニオンに行き、そこから64号線を通って89号線に合流し、当初の予定通り北上するというプランだ。

(文字だと何のこっちゃ分からんと思うので下の地図を参照)

当初の3日目の予定はこう。40号線からグランドキャニオンに垂直に走っている線が64号線。その途中にあるフラッグスタッフへ続く道が180号線。そしてフラッグスタッフから北に伸びている線が89号線だ。

変更後の旅程はこう。当初のおよそ3倍の距離を走ることになる。

 

確かにこれなら旅程の修復は可能だ。

問題があるとすれば、ドライバーの負荷が大きくなることだ。

夕焼けのグランドキャニオンを狙っていたように、朝に行くからには当然朝焼けのグランドキャニオンを見たいということになってくるからだ。

 

グランドキャニオンの日の出はおよそ6時半、フラッグスタッフからグランドキャニオンまではおよそ1時間半。

つまり準備を考えると、4時台には起きておく必要があるわけだ。

俺は最近朝型人間でありアメリカへの興奮がまだ少々残っていたので「まあ別に良いのでは」という感じだったが、先輩Aは俺よりも運転時間が長かった。*4

おまけに俺の不用意な「0次会」の影響も残っていなかったと言えば噓になるし、飛行機でも映画を見てあまり眠れていなかったようだ。

他の旅行や遊びでは、体調が優れないのに酒を飲んでより体調を崩したり、未だに長距離移動に高速バスを使っていたりする。

要は不運属性の持ち主であり、なおかつ自ら不運を招くような行動をたまに取る人間なのだ。(他人事みたいに言っているが今回は半分は俺のせいですね)

皆さんの仲間内の中でも「こいついっつも割食ってんな」という人がいませんか?

我々一行の中では、割と先輩Aと奥さんがそちら側なのである。(俺は割とニュートラルで、先輩Bは恐らく豪運の持ち主である)

とにもかくにも議論の末に、(景色に関して)万全の状態でグランドキャニオンに挑むため、我々は2日目のグランドキャニオンを諦め、64号線を南に逆戻りするのであった。*5

 


思わぬシャッターチャンス

64号線を逆戻りする一行。

地形はさっきと同じように、見える範囲は草原が続き、ところどころに低木が茂っているのだが、天候は少々変わっていた。

太陽は西に傾き輝きを増しているが、上空には分厚い雲が断片的にかかっているため、時折見える空から光が降り注いでいた。

薄明光線、所謂「光芒」と呼ばれるものである。

果てしない草原に降り注ぐ光芒。改めて見ると神々しさを感じる。

 

更に遠くの雲では雷鳴が頻繁に轟いており、稲妻が1〜2秒程度光り続ける様子も確認できた。

この光景に我々は「あの稲妻、頑張ればギリギリ撮れるんじゃない?」となり、車を路肩に停めて稲妻撮影に勤しむこととした。

稲妻を写真に収めるためのスタイルは、タイミングを見計らって連写する、適当な間隔でパシャパシャ撮り続ける、ムービーを撮って切り取ろうとする、などなど人それぞれだった。

俺はというと、周りを完全にシャットアウトして、稲妻が光る一瞬を待ち続けた。

要は早撃ちだ。

ちなみに俺はこういう「いつ目的のものが来るか分からない」という時に「ひたすら待つ」という作戦を取りがちです。

俺は麻雀で対子が2つあったら七対子を考え始めるくらいのチートイフリークなんですが、チートイを狙うと決めてからは基本的にツモ切りになります。

本来は場にいくつか出ている牌を優先的に切るのが確率的にも定石なのだが、俺は山にラス1になっても切りません。

待ちを変えた後に裏目で捨てた牌を引いた時「あの時捨てなければ良かった」と後悔することによって心理状態が格段に悪くなるからです。

「変えて後悔するくらいなら、待って後悔する方が良い」というのが俺の処世術です。

「変えるのは確実に勝てる自信がある時だけ」と言い換えることもできます。

とはいえ、チートイ以外(人生含む)では変えることでゴリゴリに裏目ってしまったりするんですが。(今までの説明は何だったのか)

というわけで俺は稲妻が来るのを待ち続け、稲妻が光った瞬間にシャッターボタンを押す、という戦略を取り続けた。

無事に稲妻を写真に収めることができたわけだが、最終的には全員が稲妻を撮ることに成功した。(それぐらい、発光時間が長かったのである)

一番きれいに撮れた写真。なんか映画の本編が始まる前の制作会社か配給会社のクレジットでこんな光景があった気がする。




フラッグスタッフ

稲妻に満足した一行は、64号線の途中で180号線に乗り換え、フラッグスタッフへ向かった。

グランドキャニオンを離れるにつれて雲の切れ間が増え始め、日没間近の太陽は輝きを増し、あたりは所謂マジックアワーになりつつあったため、ここでも撮影会が開かれた。

グランドキャニオンが明日でいいとなれば、時間は使い放題である。(とはいえ早く寝る必要はあるのだが)

夕焼け撮影会での一枚。

 

ちなみに夕焼け撮影会後にペーパードライバーである先輩Bの路上教習が始まったが、たまにカーブがある程度の単調な道でほとんど車も通っていなかったため、全く何の事件も発生しないまま終了した。(何より先輩Bは豪運なので)

そんな遊びをしているうちに日は暮れ、フラッグスタッフへ向けて暗くなりつつある林道をひたすら走るのであった。

 

 

 

本日はここまで。

やっぱり夜まで行かなかったな。

もうなんかこうなることは予想できていたし、今後もこのペースが続くと思われるので、これからはゴタゴタ言わずにゆったり書いていこうと思います。

*1:ルート66から置き換わったハイウェイは道路建設技術の発達により、可能な限り街と街を直線で結ぶようにできている。日本の高速も同じですね

*2:セリグマンは40号線を途中で降りても寄れるので時間に余裕がある人は寄ってみてくれ

*3:この場合の「いける」は行く行かないというよりは上手い具合に観光できるかどうかという意味

*4:全員が意識してそうなっていたわけではないが、大体どの旅行でも先輩Aの運転時間は何故か長くなりやすい

*5:当時のコンディションを考えると、選択肢はあるようで実質無いに等しかった