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アメリカ旅行記その4

どうも床下です。

 


昔、このブログで「ブログの文頭にどうも○○ですって名乗るのサザエさんの次回予告みたいだよねって言ってる奴いたな」と思ったら自分が言ってました。

こうして自分が言ったことを忘れて他人事のように脳内に言葉だけが残っていくことを感じるのは、酒が入っていると少し寂しい。シラフなら「あちゃ〜」で終わり。

 


今回もアメリカ旅行の続きです。

奥さんに「こういう連作のブログって最初は張り切って書くんだけど思ったより長くなって途中からめんどくさくて適当に書いちゃうもんなんだよね」と言われたので、意地でも最後まで書き切りたいですね。

 


前回までのあらすじ

無事にLAでレンタカーを借り終え、ラスベガスに向かってフリーウェイをひた走る床下一行。

長いドライブの末、車窓から見える景色は徐々に砂漠と化し、いよいよラスベガスの街並みが見えるのであった。

 

そういえば、トイレの個室の隙間について女性陣から回答がありました。

「女子トイレもめちゃくちゃでかい」だそうです。

皆様お気を付けください。

 


1日目【Las Vegas】

はじめに

俺は数ある洋画の中でもオーシャンズ11シリーズが一番好きです。

filmarks.com

好きな理由は挙げるとキリがないんですが、浅いまとめ方をするとオシャレでカッケーからです。*1

そして何を隠そうこのシリーズの第1作目であるオーシャンズ11の主要な舞台となるのが、ラスベガスという街なのです。

ざっくりあらすじを話すと、様々なスキルを有したプロフェッショナルの泥棒10人が主人公ダニー・オーシャンの元に集まり、ラスベガス1のカジノから現金を盗み出す、という感じ。

ということで今回はちょくちょくオーシャンズ11の話が出てきますので、分からない奴、ネタバレが嫌な奴はこの先を読む前に今すぐ観ろ。

 


ラスベガスが見えてきた

ラスベガスはネバダ州の砂漠のど真ん中にポツンとある巨大な歓楽街。

カジノを有した巨大なホテルが乱立しているため、遠くからでもラスベガスの存在が確認できるんだろうと思っていた。

しかし実際に近づいてみると、まずはラスベガスで働く人たちの住宅街らしきものがフリーウェイの脇にちらほら見え始め、ラスベガスの中心地自体は割と近づかないと見えないことが分かった。

ちょっと拍子抜けである。

従業員用のマンションっぽい(実際にそうかは知らん。別荘かもしれん)

 

とはいえ、中心部が近づくにつれて増えていくホテル、それらを彩る装飾やネオンにテンションが上がった。

ちなみに、一定規模以上のカジノには必ずホテル設備を付帯させる義務があるようで、でかいカジノ=でかいホテルなのである。*2

ホテルの形も色とりどりである。

一昔前のラスベガスでは各国の象徴的な場所をモチーフにしたホテルを建てるのがブームだった時代があり、エンパイアステートビルエッフェル塔、ピラミッド、スフィンクスローマ帝国の神殿、自由の女神などがあった。

正直、冷静になって考えると節操が無いしちょっと馬鹿にしてるよなと思ったが、オーシャンズ11の作中でオーシャンが経験の浅い若手のスリの天才ライナスに「(ラスベガスは)大人の遊園地さ」と言うように、街全体がディズニーランドのようなものだと思えば納得だった。

 


Welcome to Las Vegas

ラスベガスに到着した一行はまず、有名な看板へと向かう。

オーシャンズ11で主に情報収集とカジノ側への潜入を担当するフランクがラスベガス入りする際に出てくる「Welcome to Las Vegas」と書かれた看板である。

観光地にありがちな看板ではあるが、立っている場所はフリーウェイから一本外れた通りにあり「見に行こうとしなければ意外と見えない場所にある」というのが何かちょっと面白い。

元のメインストリートがそこであり、街が成長してしまった結果なのだろうか。

ちなみにフランクは元々ニュージャージー州のカジノで偽名で働いており、「気管支炎を患ってるから暖かい土地に行きたい」という理由でラスベガスに異動願いを出しているのだが、気管支炎って気温関係あんのか?ラスベガスなんてむしろ乾燥してるし砂埃が立ってるしで喉には辛い環境な気もするが……。

有識者の方は教えてください。

 

看板近くの駐車場に着いて車を降りると、気温は日本と同じくらいだったが、乾燥している分、ちょっと快適に感じた。

ちなみに俺は暑いのが大嫌いなので「リゾートに行きたい」という他人の願望に対して「暑いじゃん」と言いがちで、そうすると大抵の奴が「いやいや、リゾートは得てして乾燥しているからカラッとしていて日本の夏みたいに辛くはないよ笑」と俺の海外童貞も踏まえて嘲笑しながら返してくるのだが、本当に片腹痛い。

まずもって俺は「温度」の話をしているのに「湿度」の話を持ってこられても「ああそうですか」としかならない。

いくら「温度」と「湿度」の相互関係とそれによる「気温の感じ方」を説明されたところで「暑いと感じる温度」の時点で嫌なんだよな。

ただしアロハシャツは大好きです。

 

また余計な話で文字数を稼いでしまったが、本筋に戻ります。

実際に看板を見に行くと、多くの観光客が行列をなして看板の前で写真を撮っていた。

我々は「まあ看板の写真は撮りたいけど、看板と"一緒に"撮りたいかね?」という感じだったので、行列には並ばずに脇から人がいないタイミングを見計らって看板だけを撮った。

たったこれだけのために多くの観光客が列をなすのはちょっと面白い。

 

チェックイン

看板も撮ったことだし、とりあえずチェックインしましょうかということで、一行はホテルに向かう。

今回予約したホテルは「フラミンゴ・ラスベガス」、通称フラミンゴ。

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フラミンゴはラスベガスの中でも一際歴史のあるホテルで、何と竣工は1946年!ラスベガスの酸いも甘いも表も裏も見てきた大御所で、数々の映画・小説の舞台にもなっている。

オーシャンズ11では、資金調達担当の資産家ルーベンがオーシャンにカジノ強盗を辞めさせる説得材料として「ベガスで最も成功したカジノ強盗ベスト3の第2位」を語る際にその舞台として登場する。

建てたのは別名バクジーで知られるベンジャミン・シーゲルという大物ギャングであり、フラミンゴと同様数々のエピソードが映画や小説となって語られている。*3

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オーシャンズ11を語っているくらいだから泊まるホテルはベラッジオ(強盗の舞台となるカジノがあるホテル)だと思った人もいるかも知れないが、今回の目的はあくまでもグランドサークルなので価格重視でフラミンゴを選んだ。

とはいえ、カジノが入っているホテルは基本的にカジノで稼げればいいので、宿泊料自体は日本のビジネスホテルとどこもさして変わらず、ベラッジオもとても泊まれないという値段では無いのだが。

名前の通り、ホテルの外観は鳥のフラミンゴのようにピンクがかった白がベースとなっており、ライトアップも若干ピンクっぽい。



カジノの入り口にはフラミンゴの羽根をモチーフにしたネオンのオブジェが鎮座している。



ロビーに向かうと、自動チェックイン機に通されたのだが、この機械がま〜〜〜分かりづらいし性能が悪かった。

タイムアウトまでの時間が短かったり、パスポートのスキャンの感度がシビアだったり、何かをミスるともう一回最初からの手続きだったり、一部屋ずつしか手続きできなかったり、とにかく良いところが一つもなかった。

そう感じていたのは我々だけでなく、多くの宿泊客がこの段階でつまづいており、チェックイン機の前にはそれなりの行列ができていた。

人件費を減らすことが目的のはずなのに自動チェックインのサポートに何人もの従業員が配置されていたので、本末転倒この上無かった。

日本のホテルも最近は自動チェックイン機が増えてきたが、それらとは雲泥の差である。

結局、ホテルに入ってからチェックインまでに30分くらいかかった気がする。

エレベーターで上昇し、部屋へ向かうと、まずは廊下で驚いた。部屋数が多いからめちゃくちゃなげーのだ。

「シャイニングみたいだね」などとはしゃいでいたが、エレベーターが逆側だったようで我々の部屋はそのなげー廊下を端まで歩いたところにあり、普通にだるかった。

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部屋は男性チームと女性チームの2部屋で、ありがたいことに隣同士だった。

入ってみると、やはり部屋はアメリカサイズ、ツインルームとはいえベッドも余白もテレビもでかい。

部屋。何よりベッドがでかい。そして冷房は寒い。

そしてユニットバスへ続くドアとは別に、壁に何やら非常扉のようなものがある。

これはもしやと思い開けてみると、非常扉がもう一つあり、向こう側から開けられるようだ、そしてドアの先からは女性陣の声がうっすら聞こえる。

ノックして女性陣に開けてもらうと、2つの部屋が繋がった。

我々のような客のためなのか、本当に非常扉としての扱いなのかは不明だったが、日本ではあまり見かけない仕様で、シンプルに日本のホテルも採用して欲しい、とちょっと思った。*4

 


ラスベガスの街へ

ホテルで小休止すると、窓の外から見えるラスベガスはすっかり夜、ネオンがより一層光り輝いている。

街並みを見つつ、夕飯を食べようということで街へ繰り出す。

フランスをモチーフにしたホテル。エッフェル塔がフランス色だ。俺がフランス人なら恥ずかしい。

フラミンゴは十字路の一角に位置しており、ラスベガスの中心地であり、フォーコーナーと呼ばれる。

フォーコーナーにはフラミンゴの他にローマ帝国をモチーフにしたホテルのシーザーズパレス、元はホースシュー・ラスベガスと呼ばれたバリーズ、そしてフラミンゴの対角にはオーシャンズ11の舞台となるイタリアのコモ湖周辺をイメージしたベラッジオが存在する。

ja.wikipedia.org

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ちなみに先述した「ベガスで最も成功したカジノ強盗ベスト3」の第3位はホースシュー、第2位がフラミンゴ、第1位がシーザーズ、そしてオーシャンズ11の舞台がベラッジオなので、フォーコーナーのカジノ全てが作中で登場する。

フォーコーナーに横断歩道はなく、歩道橋があるのみなので、シーザーズのコーナーを経由してまずはベラッジオの有名な噴水ショーを鑑賞しに向かう。

フォーコーナーの歩道橋から撮った写真。フィルムで多重露光は難しい。

 

噴水ショーは、オーシャンズ11のラストシーン、仕事を終えた11人の泥棒がドビュッシーの月の光をBGMにショーを眺め、1人、また1人と去っていくという有名なシーンで使われている。

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ベラッジオがコモ湖周辺をイメージしているだけあり、この噴水がある池はコモ湖ということだろう。*5

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作中ではメンバー1人1人が池を囲う柵にもたれかかってゆったりと噴水ショーを眺めるのだが、実際のそこは観光客でごった返しており、ゆったり鑑賞というわけにはいかない。

おまけに際どいコスプレをした女の子たちが「写真撮ってあげるよ〜」と言いながら撮影者たちを回っており、やはりここでも節操の無さが伺えてしまい、噴水ショーの写真を何枚か撮って早々に退散した。*6

俺はこの姿を見ると否が応でも月の光が脳内再生されてしまう。オーシャンズ犬。

 


アメリカ初のディナー

実はディナーの予約はしていなかった。

行く前からどこで食べるかという話はしており、大衆がラスベガスで食べるディナーとしてはステーキハウスかバフェ(ブッフェ)だろうというところまではいっていたが、バフェは大抵予約不可ということもあり、現地で決めようとなっていた。

評判が良かったのはコスモポリタンホテル内のバフェだったが、ちょっと距離があり、全員疲れが溜まっていることもあって、シーザーズに入っているそこそこ評判の良い「バッカナル」を選択した。

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シーザーズはオーシャンズ11だけでなく奥さんが大好きな海外ドラマ「フレンズ」でも舞台として出てくる、ローマ帝国をテーマとした豪華絢爛なカジノホテルだ。

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シーザーズの玄関。オーシャンズ11でも登場する。

バッカナルはその中にあり、時刻は21時ぐらいでもそれなりに並んでいたのだが、バフェの割に意外と回転は早く、10〜15分程度待って席に着くことができた。

ドリンクは「安くてオススメ!」とのことだったので、ミモザをデキャンタで注文。

早速食べ物を取りに行くと、オリジナルの創作料理はもちろん、パンやチーズやハムやサラダ用の生野菜だけでも数十種類あり、それとは別にメキシカン、中華、韓国料理、和食などなど、とても一周では取りきれない量の料理がずらりと並んでいる。

更にそれらに加えて、カニやロブスターなどの海鮮、そして牛豚牛の様々な部位のステーキまでがある。

そして切り分けられるステーキの1枚1枚がでけえ!!!!

加えてスイーツも大量にある。

バイキングやビュッフェで一皿にどのように料理を取るかというところでその人のセンスが問われるというのは割とよくある話だが、どんなにセンスの良い奴もここでは流石に無理だろと思ってしまう。

ここで飯を食った人間は全員七つの大罪の貪食の地獄に行くと思えよ。

俺はもちろんゴリゴリの庶民なので肉と魚を集中的に1皿に取りまくり、もはや1つの料理が料理ではなく食材に分離しているように感じるという、一種のゲシュタルト崩壊に近い状態に陥ってしまった。

とはいえ疲れていることもあって意外と冷静で、胃袋のキャパ的にはちょうど良い感じになった。

閉店が近づき、座っている客もまばらになり、従業員が空いたテーブルをせっせか掃除し始めたので、店を後にした。

俺の皿は汚くて見せられたものではないのでゲシュタルト崩壊していない奥さんの皿。

海鮮たち。先輩AとBは狂ったように食っていた。俺は甲殻類アレルギーの疑いがあるのでスルー。

色んな部位のステーキ。この時点でデカいが、

切り分けもやたらとでかい。結局2種類しか食えなかったが隣の太ったアメリカ人はこれを3枚重ねて食ってて引いた。

スイーツのコーナー。写真で見えてる量の20倍くらいある。




■カジノ

さて、ラスベガスに来たからには流石にカジノに行かなければ始まらない。

とはいえ疲れてはいるので、わざわざでかいカジノには行かず、フラミンゴのカジノで済まそうということに。(それでも充分でかい)

だがここで奥さんは満腹かつほろ酔いの上にカジノに漂うタバコと葉巻の香り*7で完全にやられてしまい、部屋でダウン。3人で臨むことになった。

とはいえ3人の中でカジノ経験者は先輩Aのみで、ギャンブルに造詣が深い人は1人もいない。

とりあえず1人10ドル分までやって様子を見ようとなった。

しかし、10ドルをチップに交換したらほんのちょっとしか無く、とてもじゃないがディーラーがいるテーブルに行ける立場では無いので、まずは機械のルーレットをやることに。

だが、これがまぁ〜悉くハズれた。

悉くとは言っても、最低賭け金が5ドルなので1人2回までしかできんのだが。

オーシャンズ11ではオーシャンがこう言っている。

ギャンブルで勝つのは親だ。結局のところ、最後はカジノに巻き上げられる。勝つには、いい手が来たとき一発勝負に出て、相手を泣かすしかない。

勝つにはそもそもチャンスで勝負できるだけの元手が必要だが、奥さんがいる手前、そんなに大金は賭けられない。

さらに言うと、俺はそもそもギャンブルがそんなに好きではない、勝ちたい欲よりも負けたくない欲が強いから。

麻雀でも4位にならないことばかり考えながらプレイしているから1位になることは稀だし役満なんてまあ出さない。

ともかく、各自10ドルだけ失った我々はすごすごと部屋に戻ったのであった。

しかし、先輩AとBはどうやら消化不良の様子。

「流石にもう少しやらない?」となってプラスで何十ドルかを握りしめ再度部屋を出た。

まあ、結果はお察しの通りです。

かくして我々のラスベガスでの一夜はオーシャンズ11のような華やかなエンディングではなく、非常に尻すぼみな形で幕が下がるのであった。

(ちなみにカジノの写真はありません、撮影禁止なので)

 

本日はここまで。

いやーようやく1日目が終了しました。

ここまではアメリカの色々な所感を結構先回りで書いているので長くなっていますが、次回ぐらいから1日=2記事くらいにできると嬉しいな。

2日目からいよいよグランドサークルに向かいますが、さてどうなることやら。

 

*1:いつかオーシャンズ11についてひたすら書く記事も書いてみたいが、まあそれは気が向いたら

*2:カジノ設備を入れず、ただ単にでかいホテルもある

*3:ちなみにフラミンゴ竣工の翌年に暗殺されている

*4:反対する人が一定数いる気はする

*5:続編のオーシャンズ12では本物のコモ湖も舞台として登場する

*6:噴水ショーは15分に1回程度の頻度でやっているので夜ならいつでも見れる

*7:アメリカは基本的に屋内は全面禁煙で屋外は特に規制無しが主流だが、カジノに限っては喫煙が許可されている