どうも床下です。
この一連の旅行記を読んでる方はご存知かと思いますが、俺は英語が壊滅的にできません。
仕事で英語のメールを書いたり論文を読んだらはするので、正確には苦手なのは英会話(リスニングとスピーキング)ですね。
まずもって日本語でさえ口数が多いわけではないし、英語ってみんな話す時なんかキーが一つ上がるじゃないですか、あれができないんすよね。
この前上司との面談で「この会社で英会話から逃げ続けると仕事の幅が狭まるからね〜」と言われたんですが、アメリカ旅行後だったのでノリで「だったら無理やり海外の部署に辞令出してください!英会話教室通うよりそっちの方がいい!」と言ってしまいました。
本当に飛ばされたらどうしよね……。
前回のあらすじ
アメリカの時差マジックに翻弄され、アンテロープキャニオンを目前に1時間の余白が生まれてしまった床下一行。
近場のホースシューベンドを急いで鑑賞するも、誤った判断により俺の調子は最悪に。
果たして俺はアンテロープキャニオンを無事楽しむことができるのだろうか。
3日目【Antelope Canyon】
■アンテロープキャニオン
ホースシューベンドを離れ、アンテロープキャニオンの駐車場へ舞い戻ると、待合所にはまた多くの観光客が集まっていた。
しかし、12時半になっても中々動きがない。
どうやら前の時間帯のツアーバスが全て戻ってくるのを待っているようだったのだが、ホースシューベンド全力疾走男こと俺にとっては体調を戻す良い機会だった。
しばらくすると担当者が予約代表者の名前を読み上げ、搭乗するバスの番号を告げ、バス毎に異なる担当のツアーガイドを紹介した。
ツアーガイドは色黒のガタイの良い男性で、いかにも原住民という感じの水色の石がついたブレスレットやネックレスをつけていた。
このサイトにあるようなやつ。
これインディアンジュエリーって言うのね。
すぐにバスに乗るかと思いきや、先ほど見たツアーとは違い、予約者に誓約書へのサインをさせ始めた。
ツアー会社が違うので内容が違うのは当たり前だが、我々が予約したツアーは12時半に出発ではなく、12時半から諸々の手続きを始めるという運営だったようだ。
なんだかんだ30分くらい経過し、ようやくツアーバスに乗り込んだ。
前回の記事にも書いたが、ツアーバスとは言ってもでっかいトゥクトゥクみたいなもんなので、乗り心地は期待できなかった。
実際に出発すると、まあ揺れる揺れる。
普段の俺なら車酔いしてしまうところだが、吹いてくる風が涼しく、揺れすぎてアドレナリンも出てたため、むしろ体調は回復していった。
俺自身は良かったが、砂埃が激しく、カメラがイかれないか若干心配だった。*1
これに乗りました。四輪トゥクトゥク。
10〜15分ほど揺られ、ようやくアンテロープキャニオンの入り口に到着した。
アンテロープキャニオンはキャニオンと名の付く通り、グランドキャニオンと同様に渓谷なのだが、サイズ感が大きく異なる。
グランドキャニオンは長い年月をかけて大きなコロラド川に侵食されることでできた広大な峡谷だが、アンテロープキャニオンは周囲の砂岩(砂が固まってできた岩)が急激な雨や長年の風の浸食によりできた、細長い洞窟のような渓谷である。
風や急激な雨による浸食は砂岩の表面をより滑らかに削り取り、削られた砂岩は芸術的な表情となるのである。
また、そのようにできた細長い渓谷に太陽の光が注がれると、条件が整うことで綺麗な光芒(通称「ビーム」)を拝むこともできる。
ツアーにはアッパーエリアとローワーエリアがあり*2、どちらも一長一短の特徴があるらしいのだが、綺麗な景色が見えやすく、ビームも発生しやすいと噂のアッパーエリアを我々は選択した。
入口。入口の時点で既に凄い。
ツアーは同じバスに乗った観光客でグループになって、ツアーガイドが先導する形で谷間を抜けていく。
谷間は基本的に一方通行なので、ガイドが前のグループの進行状況を時折確認しながら、周囲の解説や撮影スポットの紹介などをしてくれる。
それだけでなく、ガイドはインスタグラマー並みにiPhoneのカメラに詳しかった。
この場面ではどのアングルからどの地点に合わせて明るさを調節するか、そして色温度の加工などまで、完全に熟知しているようだった。
仕事とはいえ、中年の普通の現地のおっさんが素早い手つきでiPhoneのカメラの設定をいじるその姿に、俺はちょっと感動してしまった。
さてここからは写真メインでどうぞ。
鰹節みたいって思ったのは俺だけ?
ビームではないけどビームっぽい写真
場所によってホワイトバランスを調節しないとこんな感じですぐ青くなってしまう
一番好きな写真
二番目に好きな写真
フィルムの写真も一応。アンテロープキャニオンとフィルムは相性が微妙。
ガイドのおっちゃんがiPhoneで撮ってくれた写真。まあ良いスポットだけど、なんか光の具合のせいで合成みたいに見えるの俺だけ?
一応、雑感も羅列しておく。
・どこをどのように撮ってもまあ絵になる
・逆に言えば、綺麗とは言え割とずっと同じ光景なので途中で「もういいかな……」と俺はなった
・とても自然の形成物とは思えず、美術館の特別展示にでも来たかのように錯覚する
・前にも後ろにも観光客のグループがいるので、マニュアル設定のカメラでは中々ゆっくり撮ることは難しい*3
・我々のツアーの時間帯では時期的に太陽の角度が微妙で、ビームは現れず、一つ早い時間のツアーなら狙えたかもしれないらしい
40分ほど渓谷内を進み、出口に到着した。
ここからはアンテロープキャニオンを地上から迂回する形でバスがある入り口まで戻った。
出口の写真。インディジョーンズとかに出てきそう。
地上には歩道橋のようなものが架けられており、そこを歩いているときに「ニューヨークヤンキースのファンなのか?」とガイドに聞かれた。
日本人がファッションとしてよく被っているニューヨークヤンキースのロゴが入ったキャップを身につけていたからだ。
別にファンじゃないが、そう答えるのもアレだったので「日本人はみんなファンだよ」と適当に答えた。
よく考えると、日本人からしたらジャイアンツのキャップを被っているようなものなので、そう聞かれるのも無理はないのか、と思った。*4
10〜15分くらい歩いて元の入り口に戻り、またバスに乗り込んで待合所までガタガタの道を揺らされながら帰った。
バスに乗っている時、向かいの席のおばさんが目尻が吊り上がった形のでかいサングラス(キャットアイ型って言うんかね?)をしていて「映画とかにたまに出てくる性格のきついフランス人のおばさんみたいだな」とぼーっと思っていたら、本当にフランス語っぽい言語を喋っていて「イメージってのは馬鹿にできんなぁ」とどうでもいいことを考えていた。
なんかこういうやつね。
帰ってきて車に乗り込み、次の目的地へ向かう。
思えばこの日は朝4時半から活動し、普段見ないような絶景も過剰量見てきた。
その疲れがどっと出たのか、俺はアメリカに降り立って初めて車中で眠りにつくのであった。
■恒例の
アメリカ気づきシリーーーーーズ!!!!!!!!!!!
何せこの道中は全く記憶にないのでね、尺稼ぎというやつです。
・チップ制度
知ってる人は知ってるだろうが、アメリカというか欧米はチップ制の国が多い。
受けたサービスが良かったりした時に料金とは別にお金を支払うアレである。
だが、この旅では意外と「個人に対してチップを支払う」というタイミングは少なかった。
多くのお店はカード支払いの際にチップを入力する画面があり、そこで一括で払ってしまったりするからだ。
少なくとも俺の記憶では、個人に支払ったのはアンテロープキャニオンのツアーガイドのおっちゃんだけである。(卓越したiPhoneカメラ技術への賞賛を込めて)
ちなみに、正確には別にサービスが良いと感じないなら払う必要はないらしい*5のだが、カード支払いの際は0の項目はなかった。
まあ、そもそもチップを求められるような高級な宿やレストランに立ち寄っていないというのもある。
・デポジット制度
ホテルやレンタカーでは、デポジット*6の額が結構えげつなかった。
綺麗に使えば基本的には全額戻ってくるとはいえ、例えばレンタカーだと料金が500ドルくらいでデポジットは250ドルくらいだった。
日本人は世界的に見ても綺麗好きとされてるから日本ではあまり見ないが、海外ではそうでもしないと色々なリスクが高いのかも知れないですね。
・香りの話
良く「海外の人は香水くさい」という話を聞くし、実際日本にいる外国人は香水くさいと感じることが多いのだが、アメリカでは香りはするものの不快に感じることは殆どなかった。
これについてはあくまで俺の推測なのだが、日本の気候が関係していると思われる。
香りってのは、香り成分の分子が揮発して空気中に漂い、人間の鼻の中にある受容体と呼ばれる部分がその分子をキャッチすることで感じるものである。
日本は四季があるとはいえ、1年を通して平均的に湿度が高い国だが、アメリカは乾燥地帯が非常に多い。(特に今回の旅で立ち寄った地域は乾燥していることが多かった)
湿度が高いということは、空気中に漂う水分子の数が多いということであり、それに邪魔されて香り成分の分子は広がりが悪くなる。
広がりが悪いということは遠くまで香りが届かないのだが、逆に言えば発生源近くに香り成分が集まるということなので、隣接した人からの香りは乾燥している時よりも強く感じてしまうと思われる。
欧米で香水文化が根付いてるのはそういう理由もあるんだなと思ったりした。*7
皆さんも、日本で香水を使用する際は用量にお気をつけください。(特に梅雨時)
あとこれも湿度が関係しているのだと思うが、アメリカでは部屋干し臭をほとんど感じなかった。
俺はこの世で部屋干し臭が最も嫌いで夏の東京の電車は生き地獄なのだが、アメリカで感じたのはホテルのユニットバスにあるカーテンくらいだった。
何か、そう考えると確かに夏は乾燥してればそれなりに良いのかもしれないな……。
本日はここまで。
気候が秋っぽくなってきてさいこーーーーーーーーーーーーーーーーーー。