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アメリカ旅行記その14

どうも床下です。

 


最近俺が働く部署で退職者が出ました。

その人は俺より5歳くらい年上で俺と同じ中途入社なんですが、割となんでもできてコミュニケーション能力も高いので周りからの人望が厚い人でした。

何でもできるので、他の人が中々手を出せないような仕事もたくさん抱えていました。

退職理由は聞いてないんですが、多分それが原因だったんじゃないかなと思います。

俺なんかは根がめちゃくちゃポジティブなので「他の人がやらない仕事やってる俺すげー」で終わるんですが、多分その人は「こんな仕事やっても誰も凄さを分かってくれないし……」という思いがあったんじゃないかと。

仕事できるのにネガティブな人って大変だな……。(軽)

 


前回のあらすじ

3日目の最終目的地であるモニュメントバレーに辿り着いた床下一行。

ディナーも終え、広大な荒野でモニュメントバレーと輝く星々を撮影することになった。


3日目【Monument Valley】

暗闇での撮影

コテージの電気を消して外に出ると、周りには他のコテージの明かりやちょっと離れたところにあるView Hotelの明かりがあるだけで、かなり真っ暗闇に近い状態である。

この状態なら、一眼*1のバルブ撮影でモニュメントバレーのビュートと星を撮影することができそうだった。

 

一眼にはカメラが設定を決めて撮影してくれるオートモードがありつつも、自分で各種設定をいじるマニュアルモードがあり、使い慣れている人はマニュアルを使う人が多い。

むしろこのマニュアルこそが一眼の醍醐味であり、オリジナルの設定値で欲しい絵が撮れた時の喜びはひとしおである。

主要な設定項目としては、カメラに入る光量を調節する絞り値(F値)、カメラに光を入れる時間を調節するシャッタースピード(SS)、光を取り込むセンサーの感度を調節するISO、の3つがあり、これらを上手い具合に組み合わせることで自分の求める写真を撮影する。

今回のような限りなく暗闇に近いところでの撮影の場合、カメラで予め規格化されたSSでは光量が足りない場合が多く*2、長時間露光が必要となる。

そういった長時間露光の際に用いるのがバルブであり、SSを「BULB」に設定すると、シャッターを押している時間分だけ光を取り込むことができる。

シャッターを手で押すとその振動で画角がブレてしまうので、バルブ撮影の際は遠隔のリモコンでシャッターを押すリモートレリーズを用いる場合が多い。*3

我々は各々のカメラでバルブ撮影に勤しむこととした。

俺は大してバルブ撮影はしたことないのだが、奥さんは大学時代に天文サークルに入っており、先輩Aも天体撮影の経験が少しあったので、教えを乞いながら上手い設定を模索した。

先輩Bだけは一眼ユーザーではないのだが、最近のiPhoneでは長時間露光モードが存在するため、それを用いた撮影を頑張っていた。

 


知ってる人にとっては当然の知識だが、今回気をつけた点をメモ代わりに以下に羅列しておく。

 


F値は最低でも4〜5

f値を変えると、被写界深度(ピントが合う範囲)が変わる。

f値が低いほど被写界深度は浅くなり(ピントが合う範囲が狭くなり)、焦点以外のボケが大きくなる。

星との焦点距離は∞に近く、ビュートとの距離は精々500〜1000 mなので、f値が小さいとどちらかがボケることになる。

 


焦点距離は∞からちょっと下げる

ピントもマニュアルフォーカスで合わせるが、基本的には星に合わせるので∞にしたところ、なぜかボケた。

星を撮る際は、∞からちょっとだけ下げると良いらしい。(何で?誰か教えて)

 


・ISOは上げすぎない

ISOを上げると明るくなるが、その分ノイズが大きくなる。

今回のような写真だと特にノイズは気になりやすい。

どうせバルブなのでISOは最低限に。

 


・開放時間も上げすぎない

別に天体の軌道まで撮ろうとは思っていないので、そこまで長時間(0.5〜1時間)は撮影しないし、中途半端に長いと天体の軌道が微妙に写ってブレてるみたいになるので、今回は最大でも2分程度。

 


こんな感じで気をつけて撮ったら以下のようになった、上出来だろ。

f:id:meeeeeeeeen:20231014173621j:imageまずは先輩BのiPhoneの写真。星は撮れているが、やはりノイズが気になる。


f:id:meeeeeeeeen:20231014173557j:imageこちらもiPhone。こっちは比較的綺麗に撮れており、天の川が確認できる。やっぱりiPhoneってすげえ。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014173803j:imageこちらは先輩Aの一眼レフ。まだ日が落ち切っておらず、若干太陽の光が見える。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014173907j:imageこちらは奥さんのミラーレス。星が撮れすぎて怖い。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014174007j:imageこちらは俺のミラーレス。変な設定で撮ったら何か黄色くなっちゃった。


f:id:meeeeeeeeen:20231014174013j:image奥さんのアドバイス後。ちなみにこの写真は「言っとくけど共作だから」と奥さんに念を押されました。


f:id:meeeeeeeeen:20231014174018j:imageこれがベスト。これも共作。流れ星のように見えてるのは恐らく人工衛星

 


しばらく撮影に熱中したが、外気温はフラッグスタッフと同様に10℃以下でバッテリーの消耗が激しかったため、キリのいいところで終わりにした。

 


コテージのシャワー

撮影も終了したのでシャワーを浴びて寝ることにしたのだが、シャワーの前に何か書いてあるのを発見した。

 

読んでみると、

「モニュメントバレー地域では水資源が非常に貴重で、ナバホ族は代々水を大切に扱ってきました。それに敬意を表し、お前らもシャワーは1人5分程度に収めろよ」

と書いてあった。

 

いやいやいや、このクソ仕様のシャワーでどうやって5分で上がるんじゃ、男でも結構きついぞ。

海外の人はシャワー嫌いも多く、浴びない日も多々あるから、じゃあ今日はいいかとなるのだろうか?

日本人にとってはキツい縛りであった。

とりあえず「なるべく早く浴びよう」となって各々シャワーを浴びたのだが、俺はこの日非常に疲れていた。

思えば3日目は朝からグランドキャニオンを見て、ホースシューベンドでは全力疾走し、アンテロープキャニオンではそれなりに長い距離を歩き、そしてモニュメントバレーに来た。

体力的にもさることながら、絶景に次ぐ絶景で精神も消耗していたに違いない。

全員がシャワーを浴び終えるのを待つ前に、俺は深い眠りに落ちてしまった。

 


短いですが本日はここまで。

さてさて、ようやく旅も折り返し地点まで来ましたが、ここから先はほとんど消化試合なので、サクサク進むと良いですね。(フラグ)

*1:便宜的に一眼と書いていますがメンバーには一眼レフユーザーとミラーレス一眼ユーザーがいます

*2:規格化は大体、長くても30秒くらい

*3:リモートレリーズはちょっと前の機種だと本当にリモコンのようなものを使うが、最近のカメラはBluetoothスマホと繋いでリモコン代わりにすることが多い