どうも床下です。
まだ振り返るには早いんですが、30歳になった今年2023年は「第一次身体のガタ」がどんどん出てきた年でした。
人生で初めて歯医者に行ったら虫歯が8本あると言われ*1、虫歯の治療が終わったら今度は歯周病もちょっと危ないと言われ治療し、かと思えば逆流性食道炎にかかって2〜3ヶ月寝起きが最悪だったり、ようやく全部治療したと思ったら今度は右手の中指の先に化膿性肉芽種とかいう異形成ができたり、まあ盛りだくさんでした。
幸いクリティカルな疾患は特に無かったんですが、皆さんも節目の年はご自愛ください。
前回のあらすじ
睡眠不足に襲われながらもようやくグランドサークルの一丁目一番地グランドキャニオンに到達した床下一行。
壮大な景色に目を奪われたのも束の間、急いで次の目的地であるアンテロープキャニオンを目指すのであった。
3日目【Grand Canyon〜Antelope Canyon】
■でっけえ堤防
グランドキャニオン観光を終え、64号線を直走って89号線への合流を目指す一行。
64号線の途中には所々にグランドキャニオンの鑑賞スポットがあり、時折高地特有の低木林や針葉樹林が開けてグランドキャニオンが垣間見えることもあったが、それらを全無視して車を走らせていた。
前回の記事で書いた通り、時間の猶予はそこまで無かったからである。
しばらく走ると、段々と下り坂が増え、林が無くなりつつあった。
下り坂が減り、周囲がまた荒野然としてきた頃、急に開けた真っ直ぐな道に出たのだが、目の前の光景がちょっと不思議だった。
山が視界の右から左へずーっと続いているのは確かだが、山々の高低差が殆どなく、山というよりは河川敷にあるような堤防を見てるような気分だった。
運転しながら「馬鹿でかい河川敷があるぞ!」とアナウンスしたが、先輩AとBは後部座席で寝ており、助手席の奥さんにも「そうだね〜静かにね〜」と流された、幼児か俺は。
というわけでこの光景も無視したので、ストリートビューで見てくれ。
■でっけえ渓谷
でかい河川敷に近づくと、段々と左へとカーブして河川敷と並走する形で更に進む。
少し走らせると、視界の左側が開けてだだっ広い荒野になり、その荒野には馬鹿でかい渓谷があるのが見えた。
グランドキャニオンも馬鹿でかい渓谷であることに変わりはないのだが、今回の渓谷は全体に広がっているわけではなく、平らな荒野の一部を線を描くように没した感じである。
後から調べたらここはリトルコロラド川渓谷と言って、これもまあ良い景色だったのだが時間が(以下略
ちなみに俺は「FF10のナギ平原みたいだな」と思った。
■良い感じの橋
今度はリトルコロラド川渓谷と並走する形で少し走ると、89号線との合流地点に着いた。
ちなみにこの旅行でこういう合流地点みたいなところにはしばしばラウンドアバウト(ロータリーみたいな円になってる道路)があり、ここもそうだったのだが「ここ、ラウンドアバウトの必要ある?」というものばかりだった。
信号を設置するくらいならラウンドアバウトにしてしまえってことなんだろうか。
89号線に乗り換えて少し走ると、リトルコロラド川に架かる橋を渡ったのだが、その橋の脇にもう一つ「良い感じ」の橋があった。
調べてみるとCameron Old Bridgeという1911年に建てられた歴史ある吊り橋だったようだが、これも以下略なのでストリートビューでどうぞ。
■ピクルス事件
リトルコロラド川を渡り、ひたすら北上していた。
景色はラスベガス付近と同じように辺り一面荒野だったが、山が少なく、より荒野感が強かった。
おまけに道もひたすら真っ直ぐで変わり映えせず、しばらく走ると流石に早起きの疲労が出てきたため、ガソリンスタンドに駐車して先輩Aと交代することにした。
ここのガソリンスタンドにもショップがあり、俺は何も買わなかったのだが、先輩Aは「昨日ランチで食べたピクルスが美味かったから」という理由で、他のメンバー全員が「こんなん絶対地雷だし買う奴おらんだろ」と無視していたレジ前にあった自家製っぽいやたらでかいピクルスを買っていた。
食べると案の定その強すぎる塩味と酸味に苦悶の表情を浮かべ、その後数時間かけて完食していた。
俺も一口貰ったが、カリカリ梅のでかい塊を食ってるようなもんだと思う、常人なら塩分過多で死ぬ。
今回のエピソードから、先輩Aが「不幸に自ら突っ込む」という性質を確実に持っており、決して俺の誇張表現ではないことを読者も理解できたと思う。
■混乱
そうこうしているうちに、89号線から98号線に乗り換え、アンテロープキャニオンツアーの集合場所に着いた。
アンテロープキャニオンまでは自分たちの車では行けず、ツアーの専用バス*2で連れてってもらう形だ。
道中、ある時を境に俺のスマホの表示時刻が1時間進んだことは確認しており、現地時刻は12時10分ごろで予約時間には間に合っていた。
受付を済ませ、待合所のテントに通された。
12時半ごろになるとテントは他の観光客で埋まっており、ツアー担当者が予約代表者の名前を読み上げ、次々と「この番号のバスに乗れ」と案内していく。
我々も今か今かと待っていたのだが、何故かいつまで経っても呼ばれず、結局最後まで呼ばれることはなかった。
ツアー担当者が近づいてきて我々の予約情報を確認したところ、何と言ったか覚えていないが、違うツアー会社であることが分かった。*3
会社は違えども受付できたことから集合場所は合っているのだが、待合所にはもう殆ど観光客は残っておらず、我々は混乱した。
受付に再度確認しようとしたところで、一連の理由が判明した。
スマホを見ると確かに12時半になっているが、受付の小屋にかかっている時計の時刻は11時半を指しているのである。
つまり、集合時間よりも1時間早く到着してしまったのだ、そりゃあ他の観光客もいないはずである。
この時「ナバホ居留区はサマータイム適用外なのかも」「スマホの時計の方がおかしいのでは?」などの議論がなされたのだが、とりあえず間に合わなかったわけではなかったので理由は有耶無耶になってしまった。
この記事を書くにあたって再度調べてみたのだが、やはりよく分からなかった。
だが、人によってスマホの表示時刻がまちまちだったので、恐らくは「スマホの時計がおかしい*4」が正解なのだろう。有識者がいたら解説してほしい。
■ホースシューベンド
何はともあれ、我々には1時間の空き時間ができてしまったのであった。
しかし、待合所でひたすら待つというのも勿体無い感じがする。
そこで我々は98号線を逆戻りして丁度89号線との合流地点近くにあるホースシューベンドを鑑賞することにした。
ホースシューベンドは上述のリトルコロラド川の主流であるコロラド川がU字型に蛇行した部分であり、崖の上からそこを見るとまるで馬の蹄鉄(horse shoe)に見えることから名付けられた鑑賞スポットである。
実は元々のプランではアンテロープキャニオンの前に鑑賞予定だったのだが、グランドキャニオンとアンテロープキャニオンの方が優先度が高いことから後回しにされていたのだ。
1時間もあれば鑑賞できるだろうということで、我々はホースシューベンド近くの駐車場に向かった。
だが、ここでまたしても誤算が生じる。
駐車場に着くと、近くの看板に「ホースシューベンドまではここから徒歩20〜30分です」と書いてあり、のんびり歩いていたらアンテロープキャニオンに間に合わないのである。
しかし、駐車料金をそれなりに払っている手前、諦めるわけにもいかない。
そこで先輩Aは走って先に写真を撮っておき、他のメンバーは歩いて行けるところまで行くことにした。(またも先輩Aは不幸に突っ込んだわけだが、これは我々が促した感もある)
だがここで、先輩Bと奥さんが「やっぱり私たち見たいから走るねー」と俺を置き去りにした。
俺はこういう時、極限まで走らない傾向がある。
今回はフィルムカメラとミラーレス一眼の2台持ちだったからという理由もあるが、一番は「それはそれで思い出になるんじゃね」思考が強いからだ。
何ならグランドキャニオンが見れなかったとしても「グランドキャニオン見るためにアメリカ来たのにグランドキャニオン見ないのおもしれー」で終わる可能性がある。
そんなひねくれた(自覚はある)性格なので、俺だけはトボトボと曲がりくねった道をひたすら歩いて進んだ。
10分くらい歩くと小さな丘を越え、人が集まっている鉄柵が遠くに見えた。
そこにホースシューベンドがあることが分かった。
そこまでの道はそれほど急斜面でもないのにグルッと迂回するような道になっている。
見えてしまったので行かないわけにはいかん、という気持ちになってしまい、結局鉄柵の直前まで歩いたところで、折り返してくるメンバーに鉢合わせた。
「先走って帰ってるね〜」と置いてかれたので、俺は急いでホースシューベンドを撮り、2台のカメラを抱えながら帰り道を走ることになった。
「何かを抱えながら走るなんて中学の部活の朝ランニング以来だ」*5と頭の片隅で思いながら何とか走り終えて車に乗り込んだが、連日の睡眠不足と直射日光と酸欠で具合が悪くなり「こんなんでアンテロープキャニオン楽しめんのか」と一抹の不安を抱える羽目になった。
いつも不幸を被るのは先輩Aなのに、この時ばかりは俺の役目になってしまったわけだ。
本日はここまで。
いや〜馬鹿ですね〜私。
最初から走ってればもうちょっと楽に行けたのに。