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アメリカ旅行記その16

どうも床下です。

 


たまに奥さんと話す話題なんですが、小学生の時に一人称が「オ↑レ↓」の男の子がいなかったですか?

これは奥さん共々めちゃくちゃ偏見なんですけど、「オ↑レ↓」の子って大抵自己主張が激しくて自分の話しかしなくて周りからちょっと煙たがられがちだと思うんですよね。

通勤時に電車で一緒になる小学生の集団にも大体1人は必ずいて、やっぱり上述の特徴を持ってる子が多いなぁと思います。

卵が先か鶏が先かみたいな話なんですけど、アレは何か因果関係があるんすかねぇ。

奥さんと「もし子供が生まれたら絶対にオ↑レ↓はやめさせようね」みたいな話をしています。

ちなみに俺は小学生時代に一人称が「おいら」だった時代があります。*1

ちびまる子の山田か俺は。

 


前回のあらすじ

先輩A眠れない事件があるも、無事にモニュメントバレーの日の出を見届けた床下一行。

ゆったり朝食や土産選びを楽しみ、別れを惜しみながらもモニュメントバレーを発つのであった。


4日目【Monument Valley】

フォレスト・ガンプ・ポイント

モニュメントバレーを離れる前に、実はもう一つ寄りたい場所があった。

それがフォレスト・ガンプ・ポイント。

フォレスト・ガンプというのは1994年に公開されたハリウッド映画のことで、その撮影地に使われた場所がフォレスト・ガンプ・ポイントと呼ばれています。

 

以前の記事にも書いた通り、モニュメントバレーはビュートやメサが点在する地域一帯を示す言葉で、様々なところにビューポイント(名所)が存在するんですが、フォレスト・ガンプ・ポイントもその一つということです。

フォレスト・ガンプアカデミー賞を受賞してるだけあって日本でも割と知名度の高い映画で、趣味の項目に「映画鑑賞」と書く人なら大抵1回は観たことある作品かなと思います。*2

フォレスト・ガンプというのは映画の主人公の名前のことで、幼い頃から周りに比べて知能指数が低いと診断され嘲りなどを受けつつも、その清い心と周囲の善人たちの協力を得て様々な成功を収めていく、というストーリーです。

何やかんやあって物語の終盤でガンプはアメリカ大陸を走って横断することになる*3んですが、この横断をやめて立ち止まるところがフォレスト・ガンプ・ポイントになります。

コメディなのかヒューマンなのか、ジャンルのよく分からない不思議な雰囲気の映画なんですが、アメリカの各地がロケ地として使われていたり、その時代の実際の出来事にリンクさせたメタネタ(あの有名人は実はあの時ガンプに会っていたから成功したんだ!的な)があったりして、アメリカ人なら余計に面白く観られるんだろうなと思います。

気になる人は是非観てみてください。


モニュメントバレーのゲートを抜け、来た道とは逆方向に163号線を走ること15分程度のところにフォレスト・ガンプ・ポイントはある。

あるとは言ってもフォレスト・ガンプ・ポイントは展望台のようなものがあるわけではなく、映画に使われたシーンは道路のど真ん中である。

道路脇の小さな停車場に車を寄せると、他にも何台か車が停まっており、目的はみんな同じ。

車通りはそこまで多いわけでは無いので、車が来ないタイミングを見計らって道路のど真ん中に陣取り、各々思い思いの写真を撮っていく。*4

俺はフォレスト・ガンプ自体一回しか観たことないし、そこまで心動かされた作品では無かったので早々に終わらせたが、他のメンバーはフォレスト・ガンプと同じように道路のど真ん中を走る写真や動画を撮って楽しんだ。

f:id:meeeeeeeeen:20231019194300j:image眼科のアレみたいな道(伝われ)

 

f:id:meeeeeeeeen:20231019194359j:image走る先輩A


f:id:meeeeeeeeen:20231019194402j:image奥さん


f:id:meeeeeeeeen:20231019194405j:image先輩B(漫画に出てくる強敵みたいな立ち方)

 

4日目【Monument Valley〜Flagstaff】

実績解除

フォレスト・ガンプ・ポイントも無事に撮り終え、モニュメントバレーを存分に堪能した一行。

モニュメントバレーはこの旅において折り返し地点であり、ここからは帰りの飛行機に間に合うように徐々にロサンゼルスへ近づく手筈となっている。

本日の最終目的地はフラッグスタッフを更に南に走ったところにあるフェニックスという都市である。

本日の総走行距離は329マイル(530キロ)、走行時間はおよそ6時間、東京駅から盛岡駅ぐらいまでの距離で、何気にこの旅で最長距離である。

しかし今日の日程には観光は組み込まれていないため、順当に行けば夕方には着く見込みだ。

とはいえ、何にも寄らずにそのまま行くというのも味気ないので、経由地であるフラッグスタッフに再度立ち寄ることにした。

記事内で「フラッグスタッフの雰囲気が気に入った」と書いたが、それは俺だけじゃなく割とメンバーの総意だったのである。

 

フラッグスタッフへ向けて昨日通った道を直走るのだが、ここで俺にはもう一つやりたいことがあった。

それは「アメリカでアメリカのタバコを吸うこと」である。

大学時代に元々タバコを吸っていて、結婚を機に禁煙している状態である。

禁煙というのはニコチン中毒との戦いで、基本的に一度中毒になってしまったら完治するということはなく、大小はあれど一生「タバコを吸いたい」という気持ちと戦い続けることになる。

3日目、グランドキャニオンやらアンテロープキャニオンやらモニュメントバレーと言った大自然に触れる中で、俺の中では沸々とタバコ欲が出てきていた。

喫煙者あるあるだが、大自然で吸うタバコというのは格別に美味いということを知っているからだ。

奥さんに「アメリカでアメリカのタバコを吸うという実績を解除したい」と懇願し、一本だけ許しを得ることができた。*5

 

ガソリンスタンドに立ち寄ったタイミングで、ショップに陳列されているタバコから銘柄を選ぶことにした。

アメリカのタバコ」とは言うものの、そもそもタバコというのはアメリカが発祥*6であり、アメリカの原住民が吸っていたタバコをコロンブスがヨーロッパに広めたことで世界中に広まったとされている。

そんな背景もあり、現在世界中で市販されているタバコの大体半分くらいがアメリカ製であることから考えても、「アメリカのタバコ」というのは若干の違和感がある。

 

銘柄の候補は2つあった。

1つは言わずと知れたタバコ企業最大手のフィリップモリス社の看板商品であるMarlboro(日本ではマルボロの愛称で親しまれている)で、その名前の由来は公式サイトには、イングランド南部に位置するウィルトシャーの町「モールブラ」に工場があったことから名付けられた、とある。*7

ja.wikipedia.org

 

日本でも多くの銘柄がある人気商品であり、そのパッケージの色やフレーバーの違いから、赤マル*8・金マル*9マルメン*10などと呼ばれている。

ちなみに昔はマルボロのCMがテレビで流れていたんですが、このCMのロケ地としてモニュメントバレーが使われていたりする。


もう1つの銘柄はアメリカンスピリット(通称アメスピ)で、モニュメントバレーにもそこそこ近いニューメキシコ州サンタフェという街で生まれたタバコである。

ja.wikipedia.org

 

アメスピはそのパッケージからも分かるようにアメリカ原住民をイメージしたタバコブランドであり、添加剤を一切使用していないのが大きな特徴である。*11

また、これは初めて知ったのだが、アメスピの収益の一部はネイティブアメリカンの文化保護や教育のために用いられているらしい。

 


どちらも「アメリカと言えば」なタバコなので迷ったが、アメリカンスピリットにした。

ちなみに日本では自販機があるがアメリカには無く、基本的にガソスタのショップかタバコ屋で買う必要があり、なおかつ日本よりも身分証明が厳しく、IDやパスポートを提示する必要がある。

レジに並んでいるタバコから銘柄を選び、店員に告げたのだが、どうやら俺の「アメリカンスピリット」の発音が最悪だったらしく何回か聞き返された。(ちなみにこの時は何故か身分証の提示を求められなかった)

味はまあ、正直元々アメスピをそんなに吸ったことがないので日本との違いは分からなかったが、とりあえずめちゃくちゃ美味かった。

ただ、久しぶりのタバコでヤニクラが激しく、連日のアメリカ飯で胃もやられていたので、吸い終わった後はしばらく具合が悪くなった。

紙巻きタバコが如何に身体に毒かを久しぶりに身を以て体験することになったわけだ。

ちなみに、帰国後にニコチン中毒にさいなまれて加熱式タバコを買ってしまい、奥さんに見つかって平謝りするという愚行に出ることをこの時の俺はまだ知らない……。

f:id:meeeeeeeeen:20231019194739j:imageタバコを吸うわし。ちなみにこのガソスタには野犬が3匹くらいいて普通に怖かった。

 

 

本日はここまで。

現在はまた禁煙生活に戻っております……。

*1:家の中限定だけど

*2:知名度的にはショーシャンクとかグッドウィルハンティングとかニューシネマパラダイスとかそこらへんのイメージ

*3:書いてる自分でも意味不明だが、まあ作品を見てくれ

*4:撮影者との事故に配慮してのことだが、この付近の道路だけ制限速度が遅く設定されていた。

*5:こうして文章にしてみると何ともまあ情けない男……

*6:喫煙としてのという意味で、植物としては知らん

*7:フィリップモリス社は現在の本社はアメリカにあるが、起源はイギリスなので工場もイングランドにあった

*8:一番オーソドックスなマルボロ

*9:赤マルよりタールが低くマイルド

*10:メントール配合

*11:タバコには燃焼を促進する添加物が大体入ってるんですが、アメスピにはそれすら入っていないので燃えにくく、放っておくと立ち消えすることもある

アメリカ旅行記その15

どうも床下です。

 


ふと思い出した話なんですが、小学6年生の時に隣のクラスで学級崩壊があったんですよね。

俺のクラスは担任が厳しい人だったので割ときちんとしていたんですが、隣のクラスの担任はあんまり威厳がない人で、生徒たちからいつも馬鹿にされていました。

挙げ句の果てに生徒の1人が担任に暴力を振るい、そのケガとショックで休職に追い込まれてしまいました。

ショックは大きかったようで、そのまま転勤になったんですが、転勤の際の寄せ書きに暴力を振るった生徒が「さようなら。」と一言だけ書いていて、子供ながらに俺はそれがめちゃくちゃ怖かったんですよね。

それからというもの、俺は「さようなら。」という一文を文章で使うのをためらう人間になりました。

あの同級生は今何してるのかなぁ。

 


前回のあらすじ

モニュメントバレーの壮大な景色と瞬く星の撮影に成功した床下一行。

5分という限られたシャワー時間に苦しめられるも、無事3日目の夜を終えて眠りにつくのであった。


4日目【Monument Valley】

深夜の出来事

コテージは入口から入るとまず大きな部屋にダブルベッドが一つあり、奥の小さい部屋に二段ベッドが一つという間取りだった。

メンバー構成を考慮し、男性組が二段ベッド、女性組がダブルベッドとなり、俺は特に考えもせず二段ベッドの下段で寝ていた。

 

深夜3時ごろ、先輩Aが上段のベッドから降りる時に階段を若干踏み外した音で目が覚めた。

俺は疲労のせいかめちゃくちゃ寝ぼけており、この時のことはうろ覚えなのだが、先輩Aに「ごめんごめん!」と言われた気がする。

その後、ダブルベッドで寝る女性陣とも少し会話をした後、コテージの外へ出て行ったような気がする。*1

何の会話をしていたかなどは全く覚えておらず、すぐに眠ってしまったため、この出来事の経緯は起床後に発覚することとなる。

 


事の真相

せっかくこんな場所に寝泊まりするんだから、モニュメントバレーの日の出も見たいよねということで、朝7時ごろに起床した。*2

 

昨夜の出来事を思い起こして上段のベッドを見ると、先輩Aの姿はない。

女性陣に聞いてみたところ「暑くて眠れないから車で寝る」と言って出て行ったようだった。

 

男性陣が寝た二段ベッドの部屋はユニットバスと壁一枚隔てたところに位置しているのだが、どうやらシャワーでこもった熱気がどこかを通して二段ベッドの部屋に移動していたらしい。

俺は全く暑さを感じずに快適に寝たのだが、暖かい空気は冷たい空気よりも上に行く性質があるため、上段にだけ熱気がこもっていたのだろうか。

今回は突っ込んだわけではないし、俺も何も考えずに下段を取っただけなのだが、またしても先輩Aは不幸を被ったわけで、これはもう何というか偶然の類ではないような気がしてきた。

日の出を見ようと外に出るとちょうど先輩Aも来ており、「寝れた?」と聞くと「そんなわけないだろ」と辛そうな顔で返された。

いやほんと、お疲れ様です笑

 


モニュメントバレーの日の出

先輩Aの話はさておき、俺は起きた時に窓から見えた景色が壮大すぎて笑ってしまった。

こんなとこで寝てたんか俺は、と改めて思った。

寝ぼけていたので、「六本木ヒルズで暮らすセレブたちも住んだ当初はこんな気持ちなんだろうか」と若干的外れなことを考えたりした。

f:id:meeeeeeeeen:20231018001139j:imageちょっと時間軸がズレるが、コテージの窓から見える景色。起きてこんなんだったら笑うだろ普通に。

 

外へ出ると、昨日にも増して気温は低いが、朝日を拝もうと大勢の宿泊客がいた。

そして、広大な荒野に徐々な日が昇っていった。

ここからは写真でどうぞ。

f:id:meeeeeeeeen:20231018000525j:imageまずはiPhoneの写真。これで十分きれい。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231018000615j:image奥さんのカメラ。


f:id:meeeeeeeeen:20231018000618j:image奥さんのカメラは50mくらいの単焦点だったので画角が狭く、ビュートを上手い構図で画角に収めるのに苦労していた。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231018000819j:image日の出間近。ブルーアワーに近い。


f:id:meeeeeeeeen:20231018000823j:image日の出。良い。


f:id:meeeeeeeeen:20231018000951j:imageフィルムカメラ

 

f:id:meeeeeeeeen:20231018001039j:imageほぼ火星。奥さんは「鮭の切り身みたいじゃない?」と言っていたが意味がわからない。

 


朝食

この旅行ではあまり朝食というものを考えていなかったが、図らずもホテルのプランに朝食が組み込まれていたので、一行は最初に立ち寄ったホテルのフロントがある建物で朝食を摂ることにした。

朝食は簡単なバイキング形式になっており、数種のパンやヨーグルトやデザートとドリンクがあった。

理由はわからんがあるのは糖質系の食べ物ばかりで肉や野菜類が何も無かったのだが、朝食バイキングという言葉は人間の食欲を刺激するのだろうか、結局めちゃくちゃ食べてしまった。

f:id:meeeeeeeeen:20231018001231j:image朝食。ほぼ糖質。

 


お土産探し

朝食を平らげた一行は隣のフロアにある土産ショップへ立ち寄った。

ショップにはルート66、モニュメントバレー、ユタ州グランドサークルなどにまつわるグッズの他に、ナバホ族お手製のアクセサリーや雑貨類が所狭しと並んでいた。

ショップにはカウンターが2つあり、ナバホ族が作ったお土産専用のカウンターとそれ以外の商品のカウンターに分けられていた。

ナバホ族への収益は民族全体の資産として計上するのだろうか?

ナバホ族の商品は彫刻、人形、アクセサリー、土地の植物で作ったアートなど、色とりどりだ。

だが俺は買う気が起きなかった。

というのも、元値は結構高価*3なのだが、ほぼ全ての商品に「セール中だから今だけ50%OFF!」のシールが貼ってあるのだ。

多少勘の良い人なら「いやこれ、一年中セールやってるやつだろ」と思うだろう。

俺もその1人で、人間の強かさみたいなのを見せつけられたことですっかり萎えてしまったのだ。

アメリカでは結構こういう商魂たくましさに気圧されて萎えてしまうことが多かった。*4

女性陣は実家へのプレゼント用に商品を買おうと迷っていたのだが、この迷い時間がまあ〜長い長い。

結局、お土産を買ってショップを出るまでに恐らく1時間はかかっていた。

f:id:meeeeeeeeen:20231018001353j:imageお土産屋に並ぶナバホ族お手製の人形たち。ちょっと怖い。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231018001428j:image真ん中にある額縁は地域の植物を乾燥させて押し花のようなもので作ったアート作品のようだった。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231018001523j:imageお土産屋を出たところで再度パシャリ。太陽の昇り具合からどれだけお土産屋に時間をかけたかが分かる。


チェックアウト

コテージへ戻ると、時刻は9時。

明らかにお土産屋でのロスがでかい。

10時チェックアウトのため、支度を整える。

一つ疑問だったのは、我々以外の宿泊客が全くおらず、全員チェックアウトを済ましていたことだ。

いくら我々が土産に時間をかけたのんびり屋とはいえ、誰もいないなんてことある?

海外の人って朝あんまりゆっくりしないんだろうか。

 

荷物を車に積み込み、コテージのカードキーを返却しにフロントへ向かった。

フロントへは奥さんが向かったのだが、帰ってくるとカードキーを変わらず持ったままだった。

「記念に持ってっていいよー」なら分かるのだが、「みんな記念に持って行ってるよー」と言われたらしい。そんなことある?

ともかく、モニュメントバレーに別れを告げ、次の目的地へ車を走らせるのであった。

 

 

 

本日はここまで。

いやーモニュメントバレーマジで良かったです。

今回の旅行で一番良かった。

もう2泊はしたい。

*1:この際、先輩Bが目を覚ますと枕元に先輩Aが立っているという状況だったため、大層驚いたそうな

*2:グランドキャニオンの日の出は6時10分頃だったが、そこからタイムゾーンを越えているため、モニュメントバレーの日の出は7時10分頃であった

*3:安いものでも5000円くらい

*4:日本でもあるけどね。観光地で無料駐車場の前に有料駐車場作って「無料の方はもう空いてないよ〜」と言って誘導するとか。

アメリカ旅行記その14

どうも床下です。

 


最近俺が働く部署で退職者が出ました。

その人は俺より5歳くらい年上で俺と同じ中途入社なんですが、割となんでもできてコミュニケーション能力も高いので周りからの人望が厚い人でした。

何でもできるので、他の人が中々手を出せないような仕事もたくさん抱えていました。

退職理由は聞いてないんですが、多分それが原因だったんじゃないかなと思います。

俺なんかは根がめちゃくちゃポジティブなので「他の人がやらない仕事やってる俺すげー」で終わるんですが、多分その人は「こんな仕事やっても誰も凄さを分かってくれないし……」という思いがあったんじゃないかと。

仕事できるのにネガティブな人って大変だな……。(軽)

 


前回のあらすじ

3日目の最終目的地であるモニュメントバレーに辿り着いた床下一行。

ディナーも終え、広大な荒野でモニュメントバレーと輝く星々を撮影することになった。


3日目【Monument Valley】

暗闇での撮影

コテージの電気を消して外に出ると、周りには他のコテージの明かりやちょっと離れたところにあるView Hotelの明かりがあるだけで、かなり真っ暗闇に近い状態である。

この状態なら、一眼*1のバルブ撮影でモニュメントバレーのビュートと星を撮影することができそうだった。

 

一眼にはカメラが設定を決めて撮影してくれるオートモードがありつつも、自分で各種設定をいじるマニュアルモードがあり、使い慣れている人はマニュアルを使う人が多い。

むしろこのマニュアルこそが一眼の醍醐味であり、オリジナルの設定値で欲しい絵が撮れた時の喜びはひとしおである。

主要な設定項目としては、カメラに入る光量を調節する絞り値(F値)、カメラに光を入れる時間を調節するシャッタースピード(SS)、光を取り込むセンサーの感度を調節するISO、の3つがあり、これらを上手い具合に組み合わせることで自分の求める写真を撮影する。

今回のような限りなく暗闇に近いところでの撮影の場合、カメラで予め規格化されたSSでは光量が足りない場合が多く*2、長時間露光が必要となる。

そういった長時間露光の際に用いるのがバルブであり、SSを「BULB」に設定すると、シャッターを押している時間分だけ光を取り込むことができる。

シャッターを手で押すとその振動で画角がブレてしまうので、バルブ撮影の際は遠隔のリモコンでシャッターを押すリモートレリーズを用いる場合が多い。*3

我々は各々のカメラでバルブ撮影に勤しむこととした。

俺は大してバルブ撮影はしたことないのだが、奥さんは大学時代に天文サークルに入っており、先輩Aも天体撮影の経験が少しあったので、教えを乞いながら上手い設定を模索した。

先輩Bだけは一眼ユーザーではないのだが、最近のiPhoneでは長時間露光モードが存在するため、それを用いた撮影を頑張っていた。

 


知ってる人にとっては当然の知識だが、今回気をつけた点をメモ代わりに以下に羅列しておく。

 


F値は最低でも4〜5

f値を変えると、被写界深度(ピントが合う範囲)が変わる。

f値が低いほど被写界深度は浅くなり(ピントが合う範囲が狭くなり)、焦点以外のボケが大きくなる。

星との焦点距離は∞に近く、ビュートとの距離は精々500〜1000 mなので、f値が小さいとどちらかがボケることになる。

 


焦点距離は∞からちょっと下げる

ピントもマニュアルフォーカスで合わせるが、基本的には星に合わせるので∞にしたところ、なぜかボケた。

星を撮る際は、∞からちょっとだけ下げると良いらしい。(何で?誰か教えて)

 


・ISOは上げすぎない

ISOを上げると明るくなるが、その分ノイズが大きくなる。

今回のような写真だと特にノイズは気になりやすい。

どうせバルブなのでISOは最低限に。

 


・開放時間も上げすぎない

別に天体の軌道まで撮ろうとは思っていないので、そこまで長時間(0.5〜1時間)は撮影しないし、中途半端に長いと天体の軌道が微妙に写ってブレてるみたいになるので、今回は最大でも2分程度。

 


こんな感じで気をつけて撮ったら以下のようになった、上出来だろ。

f:id:meeeeeeeeen:20231014173621j:imageまずは先輩BのiPhoneの写真。星は撮れているが、やはりノイズが気になる。


f:id:meeeeeeeeen:20231014173557j:imageこちらもiPhone。こっちは比較的綺麗に撮れており、天の川が確認できる。やっぱりiPhoneってすげえ。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014173803j:imageこちらは先輩Aの一眼レフ。まだ日が落ち切っておらず、若干太陽の光が見える。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014173907j:imageこちらは奥さんのミラーレス。星が撮れすぎて怖い。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231014174007j:imageこちらは俺のミラーレス。変な設定で撮ったら何か黄色くなっちゃった。


f:id:meeeeeeeeen:20231014174013j:image奥さんのアドバイス後。ちなみにこの写真は「言っとくけど共作だから」と奥さんに念を押されました。


f:id:meeeeeeeeen:20231014174018j:imageこれがベスト。これも共作。流れ星のように見えてるのは恐らく人工衛星

 


しばらく撮影に熱中したが、外気温はフラッグスタッフと同様に10℃以下でバッテリーの消耗が激しかったため、キリのいいところで終わりにした。

 


コテージのシャワー

撮影も終了したのでシャワーを浴びて寝ることにしたのだが、シャワーの前に何か書いてあるのを発見した。

 

読んでみると、

「モニュメントバレー地域では水資源が非常に貴重で、ナバホ族は代々水を大切に扱ってきました。それに敬意を表し、お前らもシャワーは1人5分程度に収めろよ」

と書いてあった。

 

いやいやいや、このクソ仕様のシャワーでどうやって5分で上がるんじゃ、男でも結構きついぞ。

海外の人はシャワー嫌いも多く、浴びない日も多々あるから、じゃあ今日はいいかとなるのだろうか?

日本人にとってはキツい縛りであった。

とりあえず「なるべく早く浴びよう」となって各々シャワーを浴びたのだが、俺はこの日非常に疲れていた。

思えば3日目は朝からグランドキャニオンを見て、ホースシューベンドでは全力疾走し、アンテロープキャニオンではそれなりに長い距離を歩き、そしてモニュメントバレーに来た。

体力的にもさることながら、絶景に次ぐ絶景で精神も消耗していたに違いない。

全員がシャワーを浴び終えるのを待つ前に、俺は深い眠りに落ちてしまった。

 


短いですが本日はここまで。

さてさて、ようやく旅も折り返し地点まで来ましたが、ここから先はほとんど消化試合なので、サクサク進むと良いですね。(フラグ)

*1:便宜的に一眼と書いていますがメンバーには一眼レフユーザーとミラーレス一眼ユーザーがいます

*2:規格化は大体、長くても30秒くらい

*3:リモートレリーズはちょっと前の機種だと本当にリモコンのようなものを使うが、最近のカメラはBluetoothスマホと繋いでリモコン代わりにすることが多い

アメリカ旅行記その13

どうも床下です。

 


最近夫婦揃って犬*1に興味があって、飼いたいとは思いつつも衣食住の変化を考えるとどうかなぁ〜とか考えながら公園などに出向いて色んな犬を眺めていたらいつの間にか2年経っていて全然「最近」じゃ無くなってきました。

ちなみに我々夫婦は「大まかな意向」は一致することが殆どなんですが「細かい意向」が全然合わないことがよくあります。

犬で言うなら「犬を飼いたい」は一致するんですが、犬種となると奥さんは長毛種や小型犬(テリア系とかキャバリアとかプードルなど)が好きな傾向があり、俺は短毛種や中型〜大型犬(ビーグル、イタグレ、ボーダーコリーなど)が好きな傾向で、だから中々飼うに至らないというのもあります。

まあどうでもいい話題なので本題にいきましょう。

 


前回のあらすじ

ホースシューベンドの一件で体力を消耗した一行だったが、アンテロープキャニオンの神秘性はそれを遥かに凌駕していた。

無事ツアーが終わり、次の目的地に向かう車中で床下は眠りに落ちるのであった。


3日目【Antelope Canyon〜Monument Valley】

ナバホ族の街

アンテロープキャニオンを出発したものの、俺は車中で寝てしまっていたのでここらへんの風景は不明です。

なので次の目的地の説明をしようかと思います。

次の目的地はモニュメントバレー。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%25A2%25E3%2583%258B%25E3%2583%25A5%25E3%2583%25A1%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2588%25E3%2583%25BB%25E3%2583%2590%25E3%2583%25AC%25E3%2583%25BC

 

グランドサークルの観光スポットの一つであり、今夜我々が宿泊する「The View Hotel」がある場所です。

モニュメントバレーは名前に谷とついているが、グランドキャニオンと同じような渓谷があるというわけではない。

皆さんは色んなハリウッド映画やCMなどで、赤褐色の広大な荒野にポツンと佇む円柱型の岩山(丘)を見たことはないだろうか?(どんな映画で見られるのか気になる人は下の動画を参照してください)

 

その岩山はビュートと呼ばれるものであり、ビュートがまるでモニュメント(記念碑)のように点在している地域全体がモニュメントバレーと呼ばれているのだ。

モニュメントバレーには黒い三連星の如く並ぶ3つのビュートがあり、観光マップなどにも載っていることが多いのだが、これの真正面に今夜予約したThe View Hotelは存在する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E9%25BB%2592%25E3%2581%2584%25E4%25B8%2589%25E9%2580%25A3%25E6%2598%259F


モニュメントバレーはアンテロープキャニオンツアーの駐車場から98号線を南東に走り、160号線に乗り換えて今度は北東へ向かい、途中の分岐で163号線に乗り換えて少し走った先にある。

総走行距離は119マイルでおよそ200キロ弱、所要時間は2時間なので、大体東京駅から日光東照宮くらいまでである。

今までの工程から考えると近い方であり、時刻は15時ごろだったので、夕方には着く計算だ。

 


さて、そんなこんな言ってるうちに俺が起きました。

目覚めると、相変わらず変わり映えしない荒野が続いており「流石にもう感動はないな」と思っていた。

しばらく景色を眺めていると、ちょこちょこと建物が現れ始め、小さな街が見えてきた。

その街はカエンタと言い、160号線と163号線の合流地点にあり、多くのナバホ族が暮らしている原住民の街である。

今夜予約したThe View Hotelはレストランはあるのだがディナーの予約は取っておらず、ホテルの周りは荒野が拡がっているのみなので、我々はカエンタでディナーをテイクアウトすることにしていた。

 

立ち寄ったのは「Reuben Heflin」というネイティブアメリカン料理を振る舞うレストラン。

「Hampton Inn Kayenta」というホテルの一階の一区画にあったのでちょっと迷ったりした。

ここもGoogleマップで評価が高かった店だ。

 

何品かを注文し、出来上がりを待っている間、ホテルのロビーの一角にあるソファー席で待っていたのだが、先輩Bはそこでおもむろに横になって熟睡し始めた。

いや、そんなことある?そこで横になって寝るのは結構メンタル強くない?と思ったが、まあ先輩Bはいかにもメンタルが強いので誰も気に留めていなかった。

 

しばらく待っていたが中々できないので、俺と奥さんはひと足先にちょっと歩いたところにあるスーパーでドリンク(主に晩酌用の酒)を買いに行くことにした。

アメリカのスーパーは何もかもデカくてどこもコストコみたい、という話を聞いていたので、この旅で一度は行ってみたいと思っていたところだった。

f:id:meeeeeeeeen:20231012173845j:imageスーパーの入り口。抽象化されたモニュメントバレーの絵が絶妙に可愛い。


f:id:meeeeeeeeen:20231012173853j:imageスーパーには小さな映画館もあって、グランツーリスモが上映中だった。

 

入ってみると、確かに店内は片田舎のスーパーとは思えないレベルででかかった。

野菜、肉、お菓子、冷凍食品、日用品、どれを取ってもコーナー自体が巨大で種類や量が尋常ではなかった。

特に野菜は、欠けてたり色が悪いのがあったり形が変だったりという日本なら規格落ちしそうなものも置かれており、その分円安を考慮しても安値だった。

我々夫婦は色々目を奪われつつもドリンクを探したのだが、いくら探しても酒類のコーナーが無いのである。

業を煮やした奥さんが店員さんに聞いてくれたのだが「酒類?置いてるわけなくない?」というようなちょっと呆れるような素振りで返されたらしい。

無いなら無いにしても、その態度はどういうこと?と思ったのだが、ネットで検索したところ原因が判明した。

 

どうやらナバホ族の住むナバホ居留区では、酒類の販売と摂取を禁じているらしい。

ここはナバホ居留区の街、店員やお客もアンテロープキャニオンのツアーガイドのように外見からして原住民という感じの人が殆どであり、言われてみればさっきのレストランにもお酒は一切置かれていなかった。

 

禁止にしている理由を少し調べてみたのだが、いくつかあるブログを参照して要約すると「ネイティブアメリカンは歴史的に見ても現代の統計で見ても酒があるとダメになってしまう人が多いから」ということらしい。

そんなことあるか?と思うのだが、実際にイギリスがインディアンの土地にわざと酒を持ち込んで自滅させたりする作戦もあったようである。

遺伝がそうさせるのだろうか。

それとも、娯楽の少ない広大な荒野に住むネイティブアメリカンにとって、アルコールは刺激が強すぎるのかもしれない。


モニュメントバレーへ

何はともあれ夕飯をゲットした一行はカエンタを出てモニュメントバレーへと向かう。

向かうとは言っても、道中には既に遠くにビュートやメサ*2が見えており、モニュメントバレーの一部を通っているようなものである。

日は傾き始め、元々赤土気味ではあるのだご、夕暮れの日差しを浴びて辺りはより赤く光っている。

おまけに空には虹が架かっており、すごい風情のない言い方をすると勝ち確の風景だった。

我々は時折車を停め、撮影に勤しんだ。

f:id:meeeeeeeeen:20231012174528j:image虹とモニュメントバレー。


f:id:meeeeeeeeen:20231012174520j:image虹とモニュメントバレーその2。


f:id:meeeeeeeeen:20231012174525j:image撮影会をやってるうちにどんどん日は暮れてゆく。

 

そうこうしているうちに、目的地であるThe View Hotelへ続く道へと入った。

まず有人のゲートがあり、そこで予約の確認などが行われ、通行料を支払う。*3

そこから少し真っ直ぐ走ると、The View Hotelへと辿り着いた。

このホテル、マジでモニュメントバレーのど真ん中にあるので、360°どこを見渡しても絶景が広がっており、目が回るレベルであった。

周りの景色を撮りつつ、チェックインするためにフロントへ向かった。

f:id:meeeeeeeeen:20231012174724j:imageフロント近くの駐車場からの一枚。適当に撮ってもビュートが写り込んで勝手に壮大にしてしまう。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231012174720j:imageホテルの看板。ちょっとダサくない?


f:id:meeeeeeeeen:20231012174715j:image日没はもう少しといったところ。

 

だが、いざフロントで名前を店員に伝えると「本当に予約したか?別の名前だったりしない?」と言われた。

そんな事はない、と言うのだが実際に予約は入ってないようだったので、予約表を見せたところ「あーこれはコテージの方だね、受付が違うわ」と言われた。

The View Hotelには普通のホテルの一室とコテージ(一棟貸し)があり、我々はコテージで予約していたのだ。

コテージ受付の場所を案内され、車でそちらへ向かうと、きちんと予約が入っていることがわかった。

車を駐車場に停め、コテージへと荷物を運び込んだ。

コテージの目の前には上述した黒い三連星ビュートが鎮座しており、それ以外には一面に荒野が広がっているのみの異様な光景であり、「俺、こんなとこで一泊するんか」と不思議な気持ちになった。

f:id:meeeeeeeeen:20231012174931j:image普通に馬がいた。夜になったらいなかったけど、どこ行った?


f:id:meeeeeeeeen:20231012174949j:image黒い三連星ビュート。俺は左の奴が好き。


f:id:meeeeeeeeen:20231012174945j:imageコテージからは若干ずれた間隔で見える。


f:id:meeeeeeeeen:20231012174936j:imageコテージの中。普通に4人では狭い。


f:id:meeeeeeeeen:20231012174940j:imageコテージの外観。この逆側には広大な荒野と黒い三連星が並んでいるのみである。

 

日も沈み、一通り写真を撮ってディナーを食べることとしたのだが、ここでミス。

誰か写真を撮っているだろうと思ったが、探してみたけど一枚もなかった。

多分だけど俺の記憶ではナバホタコとポークリブとサラダともう一品くらい食べた気がする。

そしてこのディナーで食べたナバホタコがめちゃくちゃ美味かった。

ナバホタコはトルティーヤの代わりにナバホブレッドというものを使ったタコスで、ブレッドとは言っているものの発酵はしておらず、練った小麦粉を揚げ焼きした揚げパンで、食べた感じとしてはしっとり感の強いナンと言ったところである。*4

多分アメリカで食べた料理の中で一番美味かったと思う。

そりゃあまあ、柔らかく煮込んだ牛肉を揚げパンで挟むというデブ御用達のご飯なので、不味いわけがないのだが。

 

そんなこんなでディナーを食べ終えた我々は、すっかり夜になったモニュメントバレーに瞬く星がとてつもないことに気づいた。

フラッグスタッフの星も凄かったが、さらに明かりが少ないモニュメントバレーでは天の川まで如実に確認することができた。

一休みした後、我々は天体撮影に勤しむことにしたのである。

 


本日はここまでなんですが、最後に小噺を一つして終わります。

我々夫婦は2人とも現時点で太ってはいないのだが、互いにデブ飯のファンであり、この前は「デブ飯山手線ゲーム」まで敢行しました。

デブ飯というのはただカロリーが高いというだけではなく「デブが好きそう」という観念が大事であり、昨今ネットミームとなっている「三色チーズ牛丼特盛温玉付き」もデブ飯の一つだ。

下記のデブ飯を溺愛した経験が多々ある人は漏れなくデブの才能があるので日々の食生活には気を使ってみて欲しい。*5

それではまた次回。

・ピザ

・ピザポテト

ピザまん

・とにかくピザと名のつくもの

・お弁当のメインのおかずの下に敷いてある素パスタ

・サイゼの辛味チキン

ミスドのオールドファッション

びっくりドンキーのチーズカリーバーグディッシュ

・一平ちゃんソース焼きそば

・日清チリトマトヌードルBIG

・高速のSAなどにたまにある牛串

・明太チーズ釜玉うどん

・コンビニの大盛りペペロンチーノ

・セブンに昔売っていたネギ塩豚カルビ重

*1:我々夫婦の間では「わんち」という呼称が定着している

*2:テーブル状の台地

*3:これはホテルのゲートというよりモニュメントバレーの主要エリアに入るためのゲート

*4:ナンは発酵させてるけどね

*5:二郎やマックといったものは意外とデブ飯っぽくない

アメリカ旅行記その12

どうも床下です。

 


この一連の旅行記を読んでる方はご存知かと思いますが、俺は英語が壊滅的にできません。

仕事で英語のメールを書いたり論文を読んだらはするので、正確には苦手なのは英会話(リスニングとスピーキング)ですね。

まずもって日本語でさえ口数が多いわけではないし、英語ってみんな話す時なんかキーが一つ上がるじゃないですか、あれができないんすよね。

この前上司との面談で「この会社で英会話から逃げ続けると仕事の幅が狭まるからね〜」と言われたんですが、アメリカ旅行後だったのでノリで「だったら無理やり海外の部署に辞令出してください!英会話教室通うよりそっちの方がいい!」と言ってしまいました。

本当に飛ばされたらどうしよね……。

 


前回のあらすじ

アメリカの時差マジックに翻弄され、アンテロープキャニオンを目前に1時間の余白が生まれてしまった床下一行。

近場のホースシューベンドを急いで鑑賞するも、誤った判断により俺の調子は最悪に。

果たして俺はアンテロープキャニオンを無事楽しむことができるのだろうか。


3日目【Antelope Canyon】

アンテロープキャニオン

ホースシューベンドを離れ、アンテロープキャニオンの駐車場へ舞い戻ると、待合所にはまた多くの観光客が集まっていた。

しかし、12時半になっても中々動きがない。

どうやら前の時間帯のツアーバスが全て戻ってくるのを待っているようだったのだが、ホースシューベンド全力疾走男こと俺にとっては体調を戻す良い機会だった。

しばらくすると担当者が予約代表者の名前を読み上げ、搭乗するバスの番号を告げ、バス毎に異なる担当のツアーガイドを紹介した。

ツアーガイドは色黒のガタイの良い男性で、いかにも原住民という感じの水色の石がついたブレスレットやネックレスをつけていた。

このサイトにあるようなやつ。

これインディアンジュエリーって言うのね。

 

すぐにバスに乗るかと思いきや、先ほど見たツアーとは違い、予約者に誓約書へのサインをさせ始めた。

ツアー会社が違うので内容が違うのは当たり前だが、我々が予約したツアーは12時半に出発ではなく、12時半から諸々の手続きを始めるという運営だったようだ。

なんだかんだ30分くらい経過し、ようやくツアーバスに乗り込んだ。

 

前回の記事にも書いたが、ツアーバスとは言ってもでっかいトゥクトゥクみたいなもんなので、乗り心地は期待できなかった。

実際に出発すると、まあ揺れる揺れる。

普段の俺なら車酔いしてしまうところだが、吹いてくる風が涼しく、揺れすぎてアドレナリンも出てたため、むしろ体調は回復していった。

俺自身は良かったが、砂埃が激しく、カメラがイかれないか若干心配だった。*1

f:id:meeeeeeeeen:20231010204012j:image

これに乗りました。四輪トゥクトゥク

 

10〜15分ほど揺られ、ようやくアンテロープキャニオンの入り口に到着した。

アンテロープキャニオンはキャニオンと名の付く通り、グランドキャニオンと同様に渓谷なのだが、サイズ感が大きく異なる。

グランドキャニオンは長い年月をかけて大きなコロラド川に侵食されることでできた広大な峡谷だが、アンテロープキャニオンは周囲の砂岩(砂が固まってできた岩)が急激な雨や長年の風の浸食によりできた、細長い洞窟のような渓谷である。

風や急激な雨による浸食は砂岩の表面をより滑らかに削り取り、削られた砂岩は芸術的な表情となるのである。

また、そのようにできた細長い渓谷に太陽の光が注がれると、条件が整うことで綺麗な光芒(通称「ビーム」)を拝むこともできる。

ツアーにはアッパーエリアとローワーエリアがあり*2、どちらも一長一短の特徴があるらしいのだが、綺麗な景色が見えやすく、ビームも発生しやすいと噂のアッパーエリアを我々は選択した。
f:id:meeeeeeeeen:20231010204215j:image入口。入口の時点で既に凄い。


ツアーは同じバスに乗った観光客でグループになって、ツアーガイドが先導する形で谷間を抜けていく。

谷間は基本的に一方通行なので、ガイドが前のグループの進行状況を時折確認しながら、周囲の解説や撮影スポットの紹介などをしてくれる。

それだけでなく、ガイドはインスタグラマー並みにiPhoneのカメラに詳しかった。

この場面ではどのアングルからどの地点に合わせて明るさを調節するか、そして色温度の加工などまで、完全に熟知しているようだった。

仕事とはいえ、中年の普通の現地のおっさんが素早い手つきでiPhoneのカメラの設定をいじるその姿に、俺はちょっと感動してしまった。

さてここからは写真メインでどうぞ。

f:id:meeeeeeeeen:20231010204526j:image鰹節みたいって思ったのは俺だけ?

 

f:id:meeeeeeeeen:20231010204730j:imageビームではないけどビームっぽい写真


f:id:meeeeeeeeen:20231010204733j:image場所によってホワイトバランスを調節しないとこんな感じですぐ青くなってしまう

 

f:id:meeeeeeeeen:20231010204738j:image

岩肌。Windowsスクリーンセーバーみがある


f:id:meeeeeeeeen:20231010204742j:image

一番好きな写真


f:id:meeeeeeeeen:20231010204746j:image

二番目に好きな写真


f:id:meeeeeeeeen:20231010204726j:image

iPhoneで撮ったやつ。iPhoneでいいのよホンマに。


f:id:meeeeeeeeen:20231010204749j:image

フィルムの写真も一応。アンテロープキャニオンとフィルムは相性が微妙。

 

f:id:meeeeeeeeen:20231010205108j:image

ガイドのおっちゃんがiPhoneで撮ってくれた写真。まあ良いスポットだけど、なんか光の具合のせいで合成みたいに見えるの俺だけ?


一応、雑感も羅列しておく。

・どこをどのように撮ってもまあ絵になる

・逆に言えば、綺麗とは言え割とずっと同じ光景なので途中で「もういいかな……」と俺はなった

・とても自然の形成物とは思えず、美術館の特別展示にでも来たかのように錯覚する

・前にも後ろにも観光客のグループがいるので、マニュアル設定のカメラでは中々ゆっくり撮ることは難しい*3

・我々のツアーの時間帯では時期的に太陽の角度が微妙で、ビームは現れず、一つ早い時間のツアーなら狙えたかもしれないらしい

 


40分ほど渓谷内を進み、出口に到着した。

ここからはアンテロープキャニオンを地上から迂回する形でバスがある入り口まで戻った。

f:id:meeeeeeeeen:20231010205221j:image出口の写真。インディジョーンズとかに出てきそう。

 

地上には歩道橋のようなものが架けられており、そこを歩いているときに「ニューヨークヤンキースのファンなのか?」とガイドに聞かれた。

日本人がファッションとしてよく被っているニューヨークヤンキースのロゴが入ったキャップを身につけていたからだ。

別にファンじゃないが、そう答えるのもアレだったので「日本人はみんなファンだよ」と適当に答えた。

よく考えると、日本人からしたらジャイアンツのキャップを被っているようなものなので、そう聞かれるのも無理はないのか、と思った。*4

 

10〜15分くらい歩いて元の入り口に戻り、またバスに乗り込んで待合所までガタガタの道を揺らされながら帰った。

バスに乗っている時、向かいの席のおばさんが目尻が吊り上がった形のでかいサングラス(キャットアイ型って言うんかね?)をしていて「映画とかにたまに出てくる性格のきついフランス人のおばさんみたいだな」とぼーっと思っていたら、本当にフランス語っぽい言語を喋っていて「イメージってのは馬鹿にできんなぁ」とどうでもいいことを考えていた。

なんかこういうやつね。

 

帰ってきて車に乗り込み、次の目的地へ向かう。

思えばこの日は朝4時半から活動し、普段見ないような絶景も過剰量見てきた。

その疲れがどっと出たのか、俺はアメリカに降り立って初めて車中で眠りにつくのであった。

 


恒例の

アメリカ気づきシリーーーーーズ!!!!!!!!!!!

何せこの道中は全く記憶にないのでね、尺稼ぎというやつです。

 


・チップ制度

知ってる人は知ってるだろうが、アメリカというか欧米はチップ制の国が多い。

受けたサービスが良かったりした時に料金とは別にお金を支払うアレである。

だが、この旅では意外と「個人に対してチップを支払う」というタイミングは少なかった。

多くのお店はカード支払いの際にチップを入力する画面があり、そこで一括で払ってしまったりするからだ。

少なくとも俺の記憶では、個人に支払ったのはアンテロープキャニオンのツアーガイドのおっちゃんだけである。(卓越したiPhoneカメラ技術への賞賛を込めて)

ちなみに、正確には別にサービスが良いと感じないなら払う必要はないらしい*5のだが、カード支払いの際は0の項目はなかった。

まあ、そもそもチップを求められるような高級な宿やレストランに立ち寄っていないというのもある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%2581%25E3%2583%2583%25E3%2583%2597_(%25E3%2582%25B5%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2593%25E3%2582%25B9)


デポジット制度

ホテルやレンタカーでは、デポジット*6の額が結構えげつなかった。

綺麗に使えば基本的には全額戻ってくるとはいえ、例えばレンタカーだと料金が500ドルくらいでデポジットは250ドルくらいだった。

日本人は世界的に見ても綺麗好きとされてるから日本ではあまり見ないが、海外ではそうでもしないと色々なリスクが高いのかも知れないですね。


・香りの話

良く「海外の人は香水くさい」という話を聞くし、実際日本にいる外国人は香水くさいと感じることが多いのだが、アメリカでは香りはするものの不快に感じることは殆どなかった。

これについてはあくまで俺の推測なのだが、日本の気候が関係していると思われる。

香りってのは、香り成分の分子が揮発して空気中に漂い、人間の鼻の中にある受容体と呼ばれる部分がその分子をキャッチすることで感じるものである。

日本は四季があるとはいえ、1年を通して平均的に湿度が高い国だが、アメリカは乾燥地帯が非常に多い。(特に今回の旅で立ち寄った地域は乾燥していることが多かった)

湿度が高いということは、空気中に漂う水分子の数が多いということであり、それに邪魔されて香り成分の分子は広がりが悪くなる。

広がりが悪いということは遠くまで香りが届かないのだが、逆に言えば発生源近くに香り成分が集まるということなので、隣接した人からの香りは乾燥している時よりも強く感じてしまうと思われる。

欧米で香水文化が根付いてるのはそういう理由もあるんだなと思ったりした。*7

皆さんも、日本で香水を使用する際は用量にお気をつけください。(特に梅雨時)

あとこれも湿度が関係しているのだと思うが、アメリカでは部屋干し臭をほとんど感じなかった。

俺はこの世で部屋干し臭が最も嫌いで夏の東京の電車は生き地獄なのだが、アメリカで感じたのはホテルのユニットバスにあるカーテンくらいだった。

何か、そう考えると確かに夏は乾燥してればそれなりに良いのかもしれないな……。

 


本日はここまで。

気候が秋っぽくなってきてさいこーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

*1:ツアーには水や財布などの最低限の荷物だけで、カバンなどを持って行くのは厳禁であり、カメラも裸で持っていくしかなかった

*2:なんかもう一つあったけど忘れた

*3:ツアーによってはもう少しゆっくりできるものもあるらしい

*4:実際、アメリカではファンだったり出身だったり自分に関わりのあるチームの帽子をかぶるのが通例らしい

*5:実際、ツアーガイドのおっちゃんにも払っている人と払わない人がいた

*6:保証金のこと。利用者過失で何か問題があった場合は返済額が少なかったり全く返ってこなかったりする

*7:そもそも黄色人種に比べて体臭がきついというのもある

アメリカ旅行記その11

どうも床下です。

 


まだ振り返るには早いんですが、30歳になった今年2023年は「第一次身体のガタ」がどんどん出てきた年でした。

 


人生で初めて歯医者に行ったら虫歯が8本あると言われ*1、虫歯の治療が終わったら今度は歯周病もちょっと危ないと言われ治療し、かと思えば逆流性食道炎にかかって2〜3ヶ月寝起きが最悪だったり、ようやく全部治療したと思ったら今度は右手の中指の先に化膿性肉芽種とかいう異形成ができたり、まあ盛りだくさんでした。

幸いクリティカルな疾患は特に無かったんですが、皆さんも節目の年はご自愛ください。

 


前回のあらすじ

睡眠不足に襲われながらもようやくグランドサークルの一丁目一番地グランドキャニオンに到達した床下一行。

壮大な景色に目を奪われたのも束の間、急いで次の目的地であるアンテロープキャニオンを目指すのであった。


3日目【Grand Canyon〜Antelope Canyon】

でっけえ堤防

グランドキャニオン観光を終え、64号線を直走って89号線への合流を目指す一行。

64号線の途中には所々にグランドキャニオンの鑑賞スポットがあり、時折高地特有の低木林や針葉樹林が開けてグランドキャニオンが垣間見えることもあったが、それらを全無視して車を走らせていた。

こんな感じの林が続いていた。

前回の記事で書いた通り、時間の猶予はそこまで無かったからである。

しばらく走ると、段々と下り坂が増え、林が無くなりつつあった。

下り坂が減り、周囲がまた荒野然としてきた頃、急に開けた真っ直ぐな道に出たのだが、目の前の光景がちょっと不思議だった。

山が視界の右から左へずーっと続いているのは確かだが、山々の高低差が殆どなく、山というよりは河川敷にあるような堤防を見てるような気分だった。

運転しながら「馬鹿でかい河川敷があるぞ!」とアナウンスしたが、先輩AとBは後部座席で寝ており、助手席の奥さんにも「そうだね〜静かにね〜」と流された、幼児か俺は。

というわけでこの光景も無視したので、ストリートビューで見てくれ。

前方に見える山々が俺が言ってる河川敷。これは河川敷だろ。




でっけえ渓谷

でかい河川敷に近づくと、段々と左へとカーブして河川敷と並走する形で更に進む。

少し走らせると、視界の左側が開けてだだっ広い荒野になり、その荒野には馬鹿でかい渓谷があるのが見えた。

グランドキャニオンも馬鹿でかい渓谷であることに変わりはないのだが、今回の渓谷は全体に広がっているわけではなく、平らな荒野の一部を線を描くように没した感じである。

後から調べたらここはリトルコロラド川渓谷と言って、これもまあ良い景色だったのだが時間が(以下略

ちなみに俺は「FF10のナギ平原みたいだな」と思った。

ja.wikipedia.org

 

唯一奥さんが撮っていた写真。俺運転中にめちゃくちゃよそ見してんな。

近くで見るとこんな感じらしい。見ればよかったな。


良い感じの橋

今度はリトルコロラド川渓谷と並走する形で少し走ると、89号線との合流地点に着いた。

ちなみにこの旅行でこういう合流地点みたいなところにはしばしばラウンドアバウト(ロータリーみたいな円になってる道路)があり、ここもそうだったのだが「ここ、ラウンドアバウトの必要ある?」というものばかりだった。

信号を設置するくらいならラウンドアバウトにしてしまえってことなんだろうか。

89号線に乗り換えて少し走ると、リトルコロラド川に架かる橋を渡ったのだが、その橋の脇にもう一つ「良い感じ」の橋があった。

調べてみるとCameron Old Bridgeという1911年に建てられた歴史ある吊り橋だったようだが、これも以下略なのでストリートビューでどうぞ。

en.wikipedia.org

ちなみにこの橋の先にあるホテルも割と人気のホテルらしい。

 


ピクルス事件

リトルコロラド川を渡り、ひたすら北上していた。

景色はラスベガス付近と同じように辺り一面荒野だったが、山が少なく、より荒野感が強かった。

おまけに道もひたすら真っ直ぐで変わり映えせず、しばらく走ると流石に早起きの疲労が出てきたため、ガソリンスタンドに駐車して先輩Aと交代することにした。

ここのガソリンスタンドにもショップがあり、俺は何も買わなかったのだが、先輩Aは「昨日ランチで食べたピクルスが美味かったから」という理由で、他のメンバー全員が「こんなん絶対地雷だし買う奴おらんだろ」と無視していたレジ前にあった自家製っぽいやたらでかいピクルスを買っていた。

食べると案の定その強すぎる塩味と酸味に苦悶の表情を浮かべ、その後数時間かけて完食していた。

俺も一口貰ったが、カリカリ梅のでかい塊を食ってるようなもんだと思う、常人なら塩分過多で死ぬ。

今回のエピソードから、先輩Aが「不幸に自ら突っ込む」という性質を確実に持っており、決して俺の誇張表現ではないことを読者も理解できたと思う。

ピクルス。クソデカい。ズッキーニかよ。

顔を隠しているので分からないと思うが顔の全パーツが中心に寄るレベルのしかめっ面である。

全然関係ないけどこの辺で写真のような岩山を抜ける道を通った。ここも割と良かった。

 

混乱

そうこうしているうちに、89号線から98号線に乗り換え、アンテロープキャニオンツアーの集合場所に着いた。

アンテロープキャニオンまでは自分たちの車では行けず、ツアーの専用バス*2で連れてってもらう形だ。

道中、ある時を境に俺のスマホの表示時刻が1時間進んだことは確認しており、現地時刻は12時10分ごろで予約時間には間に合っていた。

受付を済ませ、待合所のテントに通された。

待合所からの景色。

12時半ごろになるとテントは他の観光客で埋まっており、ツアー担当者が予約代表者の名前を読み上げ、次々と「この番号のバスに乗れ」と案内していく。

我々も今か今かと待っていたのだが、何故かいつまで経っても呼ばれず、結局最後まで呼ばれることはなかった。

ツアー担当者が近づいてきて我々の予約情報を確認したところ、何と言ったか覚えていないが、違うツアー会社であることが分かった。*3

会社は違えども受付できたことから集合場所は合っているのだが、待合所にはもう殆ど観光客は残っておらず、我々は混乱した。

受付に再度確認しようとしたところで、一連の理由が判明した。

スマホを見ると確かに12時半になっているが、受付の小屋にかかっている時計の時刻は11時半を指しているのである。

つまり、集合時間よりも1時間早く到着してしまったのだ、そりゃあ他の観光客もいないはずである。

この時「ナバホ居留区はサマータイム適用外なのかも」「スマホの時計の方がおかしいのでは?」などの議論がなされたのだが、とりあえず間に合わなかったわけではなかったので理由は有耶無耶になってしまった。

この記事を書くにあたって再度調べてみたのだが、やはりよく分からなかった。

だが、人によってスマホの表示時刻がまちまちだったので、恐らくは「スマホの時計がおかしい*4」が正解なのだろう。有識者がいたら解説してほしい。

 


ホースシューベンド

何はともあれ、我々には1時間の空き時間ができてしまったのであった。

しかし、待合所でひたすら待つというのも勿体無い感じがする。

そこで我々は98号線を逆戻りして丁度89号線との合流地点近くにあるホースシューベンドを鑑賞することにした。

ホースシューベンドは上述のリトルコロラド川の主流であるコロラド川がU字型に蛇行した部分であり、崖の上からそこを見るとまるで馬の蹄鉄(horse shoe)に見えることから名付けられた鑑賞スポットである。

ja.wikipedia.org

 

実は元々のプランではアンテロープキャニオンの前に鑑賞予定だったのだが、グランドキャニオンとアンテロープキャニオンの方が優先度が高いことから後回しにされていたのだ。

1時間もあれば鑑賞できるだろうということで、我々はホースシューベンド近くの駐車場に向かった。

だが、ここでまたしても誤算が生じる。

駐車場に着くと、近くの看板に「ホースシューベンドまではここから徒歩20〜30分です」と書いてあり、のんびり歩いていたらアンテロープキャニオンに間に合わないのである。

しかし、駐車料金をそれなりに払っている手前、諦めるわけにもいかない。

そこで先輩Aは走って先に写真を撮っておき、他のメンバーは歩いて行けるところまで行くことにした。(またも先輩Aは不幸に突っ込んだわけだが、これは我々が促した感もある)

だがここで、先輩Bと奥さんが「やっぱり私たち見たいから走るねー」と俺を置き去りにした。

 

俺はこういう時、極限まで走らない傾向がある。

今回はフィルムカメラとミラーレス一眼の2台持ちだったからという理由もあるが、一番は「それはそれで思い出になるんじゃね」思考が強いからだ。

何ならグランドキャニオンが見れなかったとしても「グランドキャニオン見るためにアメリカ来たのにグランドキャニオン見ないのおもしれー」で終わる可能性がある。

そんなひねくれた(自覚はある)性格なので、俺だけはトボトボと曲がりくねった道をひたすら歩いて進んだ。

歩いている時の写真。

 

10分くらい歩くと小さな丘を越え、人が集まっている鉄柵が遠くに見えた。

そこにホースシューベンドがあることが分かった。

そこまでの道はそれほど急斜面でもないのにグルッと迂回するような道になっている。

見えてしまったので行かないわけにはいかん、という気持ちになってしまい、結局鉄柵の直前まで歩いたところで、折り返してくるメンバーに鉢合わせた。

「先走って帰ってるね〜」と置いてかれたので、俺は急いでホースシューベンドを撮り、2台のカメラを抱えながら帰り道を走ることになった。

思ったより大きくてカメラの画角に収まらなかった(単焦点なので)ホースシューベンド。急いで撮ったのでそんなことも気にしていない。

奥さんがiPhoneの広角カメラで撮った写真。やっぱiPhoneすげーわ。

 

「何かを抱えながら走るなんて中学の部活の朝ランニング以来だ」*5と頭の片隅で思いながら何とか走り終えて車に乗り込んだが、連日の睡眠不足と直射日光と酸欠で具合が悪くなり「こんなんでアンテロープキャニオン楽しめんのか」と一抹の不安を抱える羽目になった。

いつも不幸を被るのは先輩Aなのに、この時ばかりは俺の役目になってしまったわけだ。

奥さんが撮った帰り道を走る俺が遠くに写っている写真。撮ってる暇があんなら走れや。




本日はここまで。

いや〜馬鹿ですね〜私。

最初から走ってればもうちょっと楽に行けたのに。

*1:これは単純に歯医者に行ってなかったのが悪い

*2:バスというか、ピックアップトラックの荷台に屋根と席を設けただけのもの

*3:アンテロープキャニオンのツアーはいくつかの会社が競合的に取り仕切っており、値段や時間も微妙に異なる

*4:正確には、それぞれのスマホが異なる時刻設定の電波を拾っている

*5:その時は2Lの水が入ったペットボトルだった

日本で行ったことある場所の記録(後編)

ミルトンです。やっほ~~。

 

急に秋めいてきて困る。涼しい通り越して寒くない?私だけ?長袖一枚で過ごせる季節をもう少しだけでいいから楽しませてほしい。頼むよ。っていうか昼間との温度差が酷すぎるのが一番の問題という。早すぎる秋に愚痴るのはこの辺にしていよいよ後編に入る。

 

本編に入る前に、前編の内容で訂正がある。

※前編↓

日本で行ったことある場所の記録(前編) - MOSIKASITE (hatenablog.com)

 

新潟県(済)

出張中に自分なりの都会の見分け方を発見したのだが、それは「駅前にヨドバシカメラがあるか否か」。

投稿当初は「ビックカメラ」と書いていたが、正しくは「ヨドバシカメラ」でした。なんというミス……。お詫びして訂正します。

この都会の見分け方の話、リアルでも何度かしているはずなのに毎回お店の名前を間違えている気がする。ダメじゃん。現在家電関係の仕事をしているわけですが、自分の関わる店舗以外は興味がなくなっているんだなと思った。そんなんでいいんかという感じだが。毎日家電ばっかり見ているからこそ家電に興味なくなるっているのは本当にあるのよね……(自分が欲しいかどうかの意味合いでね)。

 

言い訳を長引かせる前にさっさと本題に入るぞ!!!

 

 

※前回(中編)↓

meeeeeeeeen.hatenablog.com

 

 

※北から順に書いていきます。

※( )内には行ったことあれば済、なければ未と書きます。

 

鳥取県(未)

行ったかどうか、本当に記憶がない。でも記憶がないということは行ったことないんやろうなぁという雑な結論。行っているとしたら幼少期だものなぁ。鳥取砂丘で「VIVANTごっこ」をすることを県知事が推奨していてめちゃくちゃ笑った。普通に暑くて辛そうなのでVIVANTごっこは遠慮しておくが、日本に砂丘があるのが未だに信じられないので一度行ってみたい。

 

 

島根県(済)

行ったことがありすぎる(色々あった人間の顔)。車で高速を通ると同じ景色がずっと続くので、体感でめっちゃ遠いイメージ。宍道湖近くで食したしじみ汁が美味しすぎた。VIVANTの話ばっかりであれだが、島根のロケ地(主人公の実家)にはかなり行きたいなぁ。

 

 

岡山県(済)

いつもきび団子をお土産に買ってしまう。大好き。だけど県内をまともに観光したことはないな、そういえば。仕事でちょっと降り立ったくらいで、車ではだいたい通過してしまっている。観光するなら倉敷をゆっくり歩いて巡りたい。

 

 

広島県(済)

色々な思い出があるなぁ。行ったことがない人に伝えておくと、想像以上に広島東洋カープの街です。広島出身だと、生まれた時からカープを応援する遺伝子が組み込まれている、というのはさすがに誇張表現ですが……。まあ私は広島生まれではないので客観的な印象でしかないのだが。

車で行く時のおすすめスポットは、宮島SA。SAに設置してある望遠鏡で宮島の赤い鳥居が見れるので、たとえ宮島に行かなくても日本三景のひとつが見れるというお得感あり。日本三景は、宮島・天橋立には行ったのであと松島だけなのよね~~~。

 

 

山口県(済)

瀬戸内海側の方が詳しいけれども、日本海側も雰囲気違ってまた良し。めちゃんこ有名なドライブスポットである角島大橋の真下を、ジェットスキーに乗って通ったのが特に印象的な思い出。SUPもしてかなり楽しかったんだよな。SUPのボードが欲しいが収納に困るからな~ということを数年前から考えている。

 

 

福岡県(済)

ひとり暮らしをした街なのでそりゃあ色々あった。本当に思い出が濃い。なんだかんだ全部楽しかったな~。個人的なおすすめスポットは博多駅の屋上かな。何てことない普通の商業ビルの屋上ではあるけれども、雰囲気が良いので駅で時間が余ったら上ってみるとかなりいいと思う。初めて行ったときそれなりに感動した。

今度関門海峡にジップラインができるらしくて「やってみたい~!」と騒いでいたら家族に白い目で見られた。つらい。こんなんどう考えてもやりたいじゃん……。

 

 

佐賀県(済)

「出れるけど入られへん」(Ⓒさや香)がツボすぎること佐賀。私はなんと佐賀に入れたことがある。佐賀はね~地域によってかなり雰囲気が違うなと感じる。嬉野温泉の湯豆腐がめちゃくちゃ美味しい。そして小城羊羹のシャリシャリ食感がかなり好きでよく買う。自然豊かかつ普通に便利な街なので住むのにいいんだろうけれど、気の強い人が多すぎて喧嘩したらすぐ負けそうなのでやっぱり難しいかもしれない。

 

 

長崎県(済)

“友人の友人と初めて会うためにハウステンボスに行った”というそれなりにクレイジーな思い出のある地。初対面なのに、ハウステンボス自体がめちゃくちゃ楽しくてかなり盛り上がった。浜焼きのホタテが美味しかった。「ハウステンボス浜焼き?」と思うだろうが、私が一番「ハウステンボス浜焼き???正気か???」と思っていた。美味しかったのでOKです。

 

 

熊本県(済)

幼い頃にコテージによく泊まりに行っていたらしい。星が綺麗で流れ星をたくさん見れたことは記憶に残っている。大人になってからくまモンの像と記念撮影をして、やっと熊本に来たぞ感があった。最近ワンピースのルフィ像が出来たことが話題だけど、ゾロ像だけ見たことがある(原作を知らない人間)。熊本こそ住むのに便利でいいよな~と思う。

 

 

大分県(済)

これはおもしろ情報なんですが、宇佐駅から見える山に『USA』という白文字が浮かんでいる。そう、かの『HOLLYWOOD』のごとく……。

ゆっくり温泉旅行に行きたいわ~~~。

 

 

宮崎県(未)

今これを書くまで行ったことあると思い込んでいたんだけど、もしかして行ったことないか?仕事で行っている気になっていた。プライベートでは確かに行ったことないな……ということで我に返ったので未にしておく。私はチキン南蛮が本当に好き。一番好きな料理といってもいいかもしれないくらい好きなので、本場で食べてえ!!!という気持ちと、カープのキャンプ地なので一回見に行きてえ!!!という気持ちがある。

 

 

鹿児島県(済)

鹿児島で電車に乗ったことがあるが、そこで見かけた現地の男性が西郷隆盛みのある、いかにもな薩摩顔で強烈な印象を受けた。「か、鹿児島に来てしまった……」みたいな妙な感想を持ったという記憶。電車の中から桜島が見えるのがいいですよね。さつま揚げが美味しいのでつい買っちゃう。

 

 

沖縄県(済)

はいさ~~~い!!!最後だからとテンション上げた割に仕事でしか行ったことがなくて涙。国際通りは散歩するだけで楽しいんだけど、パイナップル味の羊羹とか謎のお土産が多くて買うものに悩んだ思い出。本州でいうところのサーティーワンのように路面にブルーシールの店舗があってテンション上がった。アイス美味しかった~。またゆっくり観光できたらいいな。

 

 

以上~~~!ふとした思い付きで書くにしては長かった。でも自分の経験をまとめられて面白かった。

 

【最終結果】

◎行ったことがある→33

●行ったことがない→14

ちょうど7割制覇というところですな。う~~ん、思っていたよりも未踏の地が多かったな~という感想。でも現時点(20代後半)だし、不便な田舎出身にしてはいろんな場所に行けているのではなかろうか。もっと色んなところに行けたらいいねぇ~~。楽しみ楽しみ。

 

また何か思いついたら書きます。床下さんはがんばって旅行記完成させてください。

それではまた~。