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可能性の鉱石 モシカサイト

ハサウェイってあんな落ち着いた子だった?

この前ちょっと用事があって実家に帰ったら父に「お前フィルムカメラ欲しいんだって?俺の使ってないやつあげるよ」と言われ、フィルムカメラを貰いました。*1

 


それがこれです、CONTAX G2。

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俺は20代の若造で当時どの機種が人気かなど全く分かっていなかったので「コンタックス?ツァイスレンズは魅力的だけど、ニコンFシリーズの方が個人的に好みなんだよな……」などと初見は思っていたんですが、現物を見たり父の話を聞くうちに

 


・保存状態がめちゃくちゃ良く、ほぼ新品*2

・当時流行らしいチタンボディ*3

・何だかんだツァイスレンズ使ってみたいな*4

レンジファインダーカメラではあるが1996年発売ということもあり電子化も取り入れられており、絞り優先オート有りでAFとAEが搭載されている*5

・最近の若い人も持っている率が高いCONTAX Tシリーズの上位機*6

 


という感じで、これを断るのはもったいないということで甘んじて貰い受けることにしました。

すぐに1フィルム分スナップで適当に撮ってみました。*7ひとまず操作に慣れるため絞り優先オートで全部AF。レンズは35 mm F2.0。フィルムは富士フイルムのSUPERIA premium 400。*8

 

 

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合羽橋のおっちゃん。ここに来る外国人は皆んなおっちゃんの写真を撮って帰る。空のグラデーションが綺麗。

 

 

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神保町の古本屋。やたら縦の薄いおっちゃんの看板。

 

 

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日本橋三越本店。祝日のため日の丸が掲げられている。

 

 

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静岡県沼津市にある展望台 兼 水門の「びゅうお」。英語の「view」と魚の「うお」が命名由来らしいが、ちと言いにくくない?

 

 

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伊豆半島の根元らへんの展望テラスから撮った富士山遠景。よく晴れていたので綺麗に撮れたが、35 mmだとちと遠い。

 

 

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夕焼けのグラデーションがどんなものか見たかったので一枚。普通に綺麗。

 

 

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谷中銀座のゆうやけだんだん。夕焼けよりちょっと早め。

 

 

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屋内でも問題なく撮れるかを見るため暗めのカフェで一枚。最近この手の照明をよく見かける。

 

 

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カフェ店内その2。

 

 

 

 

 

 

使ってみた感想としては、

 


良い点

・機体がコンパクト*9

・AFがレンジファインダーカメラの弱点をカバー*10

シャッタースピードが1/6000まで対応*11

・何気にコンティニュアスAF機能もある*12

 

 

 

悪い点

レンジファインダーなのでフォーカスリングがない

レンジファインダーなのでファインダーを覗いても視覚的にピントが合っているか分からない*13

・だからマニュアルだとレンズキャップしたまま撮っちゃうとか割とある*14

 

 

 

結論を言うと、スナップしか撮らないならこれで十分すぎる、というか最高っぽい。

 


そもそもレンジファインダーカメラは一眼レフの対抗馬みたいな感じで発展し、機構上広角の撮影においては一眼レフに一日の長*15があったわけだが、一眼レフやそのレンズの驚異的な進化とデジタル化の波に飲まれて姿を消していった。

 


時代背景を見るに、CONTAX G2は当時の電子化とレンジファインダーカメラの技術を結集し、一眼レフに一矢報いようとした意欲作だったのかもと思う。*16

 


そんなわけで、元々広角や単焦点が得意*17レンジファインダーカメラでなおかつ短所を補うための電子化が至るところに施されているわけだから、スナップに最適なのは当たり前である。

 


などと思いながら楽天市場contax g2の中古相場を見てみたんですが……。

 

 

あの…この前手に入れたミラーレス一眼より高いんすけど…。フィルムカメラの再燃もあって価格が高騰しているようである。*18

 

 

 

また、このカメラに対応したレンズに、ホロゴン16 mm f8という超広角レンズがあり、これがカルト的な人気を誇っている。この時代の超広角ともなると、歪曲収差がとんでもなくてとても一眼レフじゃ撮れたもんじゃないのだが、ホロゴンはレンジファインダー用レンズということもあり、歪曲収差を極限まで補正している、のだとか。

 


これは是非欲しいと思い楽天市場で見てみたんですが……。

 

 

本体よりたけーじゃねーーーか!!!*19

終わり

*1:使ってるフィルムカメラがあるわけでもないのに、とは言わなかった

*2:5フィルム分くらいしか撮ってないらしい。何より父は俺と違って病的に物持ちが良い。

*3:保存状態が良いのはこれもある

*4:CONTAXブランドはG2の頃こそ京セラとヤシカが事業権を握っていたけど元々ドイツのツァイス社と日本のヤシカ社の共同事業がスタートなのでレンズ規格はツァイス

*5:レンジファインダーと一眼レフは根本的な機構が違い、一眼レフは光学的にピントを合わせるのに対し、レンジファインダーは2視点の視差から測定した被写体との距離を基準に合わせる。

*6:Tシリーズは単焦点レンズで交換式では無い完全スナップ用

*7:下の画像は一回LINEに落としているため画質が若干落ちてます

*8:現在市販されているフィルムの中ではたぶん一番手に入れやすいやつ。

*9:レンジファインダーカメラは内部構造的に同クラスの一眼レフより遥かに小ぶりということもあり、1990年代にはそれを活かした「高級コンパクトカメラ」という概念が流行したとかなんとか

*10:マニュアル操作の場合、レンジファインダーカメラは一眼レフと比べてピント合わせが苦手というのが通説

*11:これによりf値2.0でも懸念無くオートで撮れる

*12:通常のAFはフォーカスエリアにピントを合わせると固定されますが、コンティニュアスの場合はエリアの被写体が変わっても連続的にピントを合わせ続けます

*13:レンジファインダーにおけるファインダー部分はレンズを通していないためただの小窓です

*14:AFだとピントエラー出てすぐ気付くのでそこもこのカメラは良い

*15:十日ぐらいはあるかも

*16:真相は知らんが

*17:機構的に望遠やズームが苦手というのはあるが

*18:URLを父に見せたら「やるんじゃなかった」と言われた

*19:カメラあるある