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おティー

「炭酸を飲むと骨が溶けて身長が伸びないよ」的なことを親に言われながら育った俺は幼い頃からお茶を嗜んできました。

 

実際のところ炭酸を飲もうが飲むまいが持病*1のおかげで身長は伸びなかったわけだがまあそれはいいか。

 

とにかく俺はお茶を嗜んできた。

 

いや別に茶道とかでは無くてペットボトル飲料の話ですけど。

 

というわけで11連休1日目にも関わらずウイルス云々のせいで恐ろしく暇なのでペットボトルのお茶のレビューをしていきたい。

 

 

■お茶とは

お茶のレビューにあたってお茶のプロフィールを明らかにしていきましょう。

あまりにも身近にありすぎて、俺たちはお茶のことを知らなすぎではないですか?

 

 

茶(ちゃ)は、チャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze)の葉や茎を加工して作られる飲み物である。

wikipediaより引用

 

それだけ?と思う人もいるかも知れませんがこれがお茶です。

まあ麦茶などは別として。

意外と知られていないことですが、緑茶、ウーロン茶、紅茶、プーアル茶などなど世界には様々なお茶がありますが、これは全て上記のCamellia sinensisという植物の葉や茎が原料です。

じゃあ何で緑茶や紅茶一つ取っても味や香りにあれだけの差が出るのか、それは主に亜種の存在・産地・加工法によって生じるのです。

 

亜種の存在

日本にある茶畑って、割と身長低めですよね、背中が曲がってるおばあちゃんでも収穫できそうなくらい。

あれはチャノキと呼ばれる中国産の基本種です。

基本種と言っても、あれも人が交配に交配を重ねて最適化された亜種ですが。

これとは別に、元々インドで自生していた身長の高いアッサムチャと呼ばれる亜種がいます。

アッサムチャチャノキに比べてタンニンという渋み成分が多いので、紅茶の製造に良く用いられます。

と言っても紅茶と聞いて人々が最初に思い浮かべるであろう「ダージリン」はチャノキですが。

紅茶と聞くとイギリスなどのヨーロッパを思い浮かべる人も多いかと思いますが、産地としてはインドなどが最大手です。

 

産地

野菜や果物と同じように、お茶にも栽培に適した気候ってのがあるわけです。

特に紅茶に用いられるアッサムチャは標高が高いところにあるものほど香り高くなるらしいので、紅茶葉は基本的に高地栽培です。

人気の産地で採れる紅茶葉はダージリンやらセイロン(スリランカ)やらニルギリやらジャワやらと名前がついてます。

 

加工法

いわゆるお湯で煮出す乾燥茶葉の製造で行う工程はざっくり言うと以下3つです。

 

発酵

揉む

乾燥

 

 

 

発酵

発酵と聞くと「お茶って酒や納豆の仲間?」って感じですが、そうではないです。

酒や納豆は、食材にとりついた菌が持っている「酵素が働いて発酵が進行しますが、お茶の場合は茶葉自身が持っている「酵素」で発酵が進行します。

お茶の分類は大きくはこの発酵具合によって分けられ、発酵がほぼ0なら緑茶、それから発酵具合によって白茶、黄茶青茶烏龍茶など)、紅茶となっていきます。

ちなみにプーアル茶に代表される黒茶は、お茶自身で発酵を進行させた後、菌による発酵を行います。

 

揉む

茶葉の細胞を傷つけたり壊したりするために行う工程です。

細胞が壊れることによって、発酵をしやすくしたり煮出しをしやすくする目的があります。

 

乾燥

これは品質維持に関する先人の知恵ですかね。

水分を完全に飛ばせば腐敗もしにくくなって長い輸送機関も安心ですから。

ちなみにヨーロッパに紅茶が広まったのはインドや中国から青茶(ウーロン茶)を船で運ぶ時に発酵が進行して着く頃には紅茶になっていた、なんて説があるんですが、この頃には既に酵素の不活化と乾燥の工程が確立されていたのでデマと言われています。

 

その他

大学時代の友人がトイレ茶と呼んで毛嫌いしていたジャスミン茶は、茶葉(主には緑茶)にジャスミンの花の匂いをつけたものです。

茶葉に他の匂いをつける有名なものだと、紅茶葉にベルガモットの香りをつけたアールグレイも有名ですね。

これらは総称してフレーバーティーと呼ばれており、元々は品質の低下した茶葉を無駄にしないために作られたのだとか

ちなみに誤解されがちですが、紅茶葉でよく聞くオレンジペコというのはオレンジのフレーバーティーではなく茶葉の等級のことです。オレンジのにおいはしません。

日本茶にも煎茶やら玉露やら抹茶やらと色々あると思いますが、これらは茶葉の栽培法や各工程の違いにより生まれます。

 

 

 

 

■お茶の歴史

お茶は中国を起源とし、日本に伝わり、そして世界へと流通されるようになりました。

これも割と知られていないことですが、ヨーロッパに茶の存在を伝えたのは日本で、その後「中国の方がめっちゃ茶葉もってんじゃん」とヨーロッパ諸国が気付いて中国との貿易が盛んになりました。

今のように貨幣による外交が発達していなかった時代、お茶は金や銀などと同等の価値を持っていました。

そのせいもあって、中世における事件や戦争などにはしばしばお茶の存在が隠れています、アヘン戦争*2とかボストンティーパーティ*3とか。

上手いこと言うと、現代におけるお茶というのは、人間の知識と経験だけでなく、血生臭い歴史も煮出して作られているってことですねぇ(上手いか?)。

 

 

 

 

 

長々と知識の話をしてしまいましたが、本題に入りましょう。

 

ペットボトル飲料のお茶と聞いて最初に思い浮かべるのはやはりでしょう。

飲料業界最大手各社が代表作を持っているわけですから。

 

 

 

 

■飲料業界最大手各社

言われてすぐ思いつくのは下記4社ですかね?

コカコーラ

サントリー

キリン

伊藤園

 

大体こいつらが順位争いしてんじゃねーのと思って売上高を調べたら違った、これマジ?

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https://gyokai-search.com/3-drink.htm


ま、まあ、売上高が全てじゃないし?

 

 

 

 

■各社の代表作

何で上記4社が思い浮かんだかというと、緑茶の代表作がそれぞれ有るからです。

例えばアサヒは売上高で言えばキリンより上ですが、代表作のお茶といえば十六茶です。

十六茶にはチャノキの茶ば使われておらず、いわゆる茶外茶と呼ばれるものです。

 

というわけで、上記4社の代表作がこちらです。

 

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左から

伊藤園 お〜いお茶

キリン 生茶

サントリー 伊右衛門

コカコーラ 綾鷹

です。

 

ボトルの形にそれぞれ個性がありますね。

お〜お茶は割と昔からこんなんすね、マイナーチェンジはあるでしょうが。

生茶は男性層を狙ってこれにしたとか何とか。ボルドー好きの男性狙い

伊右衛門は割とシンプルだけど柔らかいので潰しやすくていいすね

綾鷹は湯飲みのあの何か持ち手っぽいグニョグニョを表現してるらしい、潰しにくいので個人的にはマイナスだが。

 

 

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色味を見るために服を脱がしてみました。

伊右衛門だけ圧倒的緑ッ!!

「お前やっと緑になったんか」みたいなCMが最近流れてますが、こうして比べてみると際立ちますね。あとわかりにくいけど招き猫が彫ってあってかわい〜〜〜うるせ〜〜〜。

あとお〜いお茶以外は全て濁ってて粒子みたいなのが漂ってますね、綾鷹だけでなくいつの間にか伊右衛門生茶も濁っていたとは。

 

 

 

 

テイスティング

ま、結局重要なのは味なので、実食です。

香りと味に集中するため、色の見えないコップに入れようと思ったんですが、前の記事で書いたとおり俺は生活力が絶望的に無いので、コップなどという高尚なものは持っていません。

代わりにこれを使いました。

 

 

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これの

 

 

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これです。

 

まあお茶も殺菌作用があるしモンダミンの仲間みたいなもんだかいいよね。始めましょう。

 

 

 

 

お〜いお茶

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香り

うーん正にペットボトルのお茶という香りがしますね、オーソドックスすぎて悪く言うと面白味がないな。匂いはちょっと弱め。あとなんかモンダミンの匂いがほのかに香りますね。

普通〜〜〜〜〜〜。でも美味い。甘味に対して渋味や苦味が若干強めで、良くも悪くも家庭で適当に淹れたお茶という感がありますね。でもそこがお〜いお茶の良いところですよね。これが普通と思うということは、「これこそお茶」という「普通の定義付け」をしたということですから、俺はそこを評価したい。

 

 

 

生茶

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香り

何やら甘いというか、紅茶や青茶様の匂いがする。生茶は「生茶葉抽出物」とやらを加えてるところが売りらしいから、それの新鮮香が影響しているのか?あとなんかモンダミンの匂いがほのかに香りますね。

これは………紅茶や茶葉しか使ってないとは思えないくらいの甘さと紅茶っぽい味が口に広がります。でも後味はあの紅茶を飲んだ時の渋っぽい感じじゃなくて、緑茶特有の苦味が残ります。これは個性が凄いな。紅茶好きの自分としては割と⚪︎ですが、緑茶を求める人にとってこれはどうなの

 

 

 

伊右衛門

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香り

ちゃんと淹れた緑茶の香りがする!しかもお〜いお茶と違って香りが強い!これは味もお〜いお茶の上位互換な気がしますね。あとなんかモンダミンの匂いがほのかに香りますね。

あーーーーー、ちゃーーーーんと緑茶。紛れもない緑茶。寿司屋の緑茶とも違う、料亭とかで出てくるタイプのやつ。甘味と旨味のバランスが抜群で、口に入れた瞬間緑茶の匂いが押し寄せてきますね。これ凄いな、緑は伊達じゃないということか。俺はセブンイレブンみたいな優等生タイプが嫌いなのでサントリー製品も割と食わず嫌いしてたんすけど、やっぱりトップにはトップたる所以があるわけっすよね。何かメーカーに勤めてから他業種メーカーの企業努力みたいなのに感動する体になってしまったな。

 

 

 

綾鷹

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香り

伊右衛門とはまた違う、緑茶らしい香りが強めに襲いますね。こっちは伊右衛門に比べて苦味や渋味系の成分が強そうな匂い。「口に入れた瞬間襲ってやるぞ」というような半ば前のめりな香りが多い印象ですね。例えるなら伊右衛門幸村精市綾鷹が真田弦一郎という感じです。あと何かモンダミンの匂いがほのかに香りますね。

襲われました旨味に。甘味より先に強烈な旨味が来るな綾鷹のアピールポイント調べたら「ふくよかな旨味」って書いてあって何やねんふくよかって分かりづらい表現やなとか思ってたんすけどいや分かりやすぅ〜〜、という感じです。でも旨味が強すぎて、暑い日にゴクゴク飲める感じじゃない気もする。こうやってモンダミンの蓋に入れて飲むくらいがちょうど良いですモンダミンの香りはしますが。

 

 

 

 

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以上を踏まえまして、4社のお茶のシェア率を予想してみました。

 

1位 伊右衛門

2位 綾鷹

3位 お〜いお茶

4位 生茶

 

生茶はちょっとクセがありすぎますね、斜に構えてる感がある。まあ俺は好きですが。

 

で、答え合わせしてみたんすがマジか

 

 

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https://www.ryutsuu.biz/pos/l071813.html

お〜いお茶つよ結局人々は変化を良しとしていないということですか

それとも俺には分からない人間の潜在意識に語りかける強烈な思いお〜いお茶にはあるのか

でも確かに人に「適当に緑茶買ってきて!」って頼まれたら割とお〜いお茶を買いそうな気がする、無難だし。

 

 

 

 

何やら尻すぼみな終わり方ですが以上です、しかし暇だな。

*1:サッカー選手のメッシと同じやつ

*2:インドで製造したアヘンの輸出によって利益を得ていたイギリスに対して輸入国の中国が「国内で中毒者が激増しとるわどないすんねん、アヘンはもういらん!」と反発してアヘンを廃棄したことを皮切りに起こったイギリス中国間の戦争。この時中国は茶葉を輸出していた。一説にはイギリスが中国に攻め込む理由欲しさにわざとアヘンを輸出したとも言われますが真相は知らん。

*3:まだイギリスの植民地下にあったアメリカのボストンで植民地政策に不満を持った市民たちがイギリスから輸入された紅茶葉を海に大量に捨ててボストン港が紅茶と化した事件。この事件をなどをきっかけにアメリ独立運動が加速する。