どうも床下です。
よにのちゃんねるを #1から順に毎日ずっと観続けている30代成人男性、世界で俺一人の可能性があるな。
それでは、旅行記6日目です。
前回はこちら
6日目 ナポリ
◾️ナポリの朝
ナポリの朝。ホテルからの景色です。
港町だけあってスイスと比べて蒸し暑い。そして時折アンモニア臭がする。下水があんまり発達していないのか、イタリアの街中ではちょくちょくこのトイレ臭に悩まされた。
前日の夜にビクビクしながら歩いた大通り。こうしてみると平和だ…。
ホテルというか泊まったのはB&B*1形式のお宿。建物の一部を借りて宿にしたようなやつ。ヨーロッパではホテルよりも割安な宿として人気がある。日本に来る外国人観光客に人気なドミトリーに似たものがある。
廊下はどこにでもある一般市民用のアパートと言う感じで、自分がヨーロッパの住人になったような気分で、これはこれで味があって良い。
◾️激甘朝食
目当ての朝食を食べるため、前日に降り立ったナポリ中央駅方面へ向かう。
こちらが目当てのお店。朝から観光客で賑わっている。店名にも書いてあるが、お目当ての食事はスフォリアテッレである。
こちらがスフォリアテッレ。ナポリ発祥のお菓子である。一見するとクロワッサンのようだが、クロワッサンに比べて無数のひだ*2があり、一枚一枚がパリパリに仕上がっている。パイのように生地が何層にも重なっているためだが、パイとは異なり発酵はさせない。バターも使わず、大量のオリーブオイルとラードを練り込んで低温でじっくり焼き上げることでこのような形になるのだとか。中にはリコッタチーズやカスタードを混ぜたフィリングが入っている。
食感は月並みに言えばパイに近いが、鯛の鱗揚げにも近いものを感じる。そしてフィリングが激甘である。甘いと聞いていたので俺は上に酸味がありそうなジャムが載っているものをチョイスしたが、予想に反してこれも激甘で、胃が三度見くらいしてるんじゃないかと思った。とはいえ味は美味かった。
一時期日本でも流行ったマリトッツォしかり、イタリアではこういう激甘なお菓子を食べ、エスプレッソで流し込むというのが割とスタンダードな朝食らしい。いや死ぬぞ。
◾️スパッカ・ナポリへ
朝食を終え、そのまま歩いてスパッカ・ナポリへ向かう。スパッカ・ナポリとは「ナポリを真っ二つに割る」と言う意味で、高台から見ると文字通りナポリの街を真っ二つに割るかのように走っている通りの名称である。数多くのレストランやお土産屋や観光名所が建ち並ぶナポリのメインストリート*3である。
これなんだっけ?何かの建物。
スパッカ・ナポリ地区に位置するトリブナーレ通り。
多くの細路地がある。どうでもいいけどヨーロッパは石畳が多くてバイクに乗ってる人は怖くないのだろうか。
観光客と同じくらい現地民もいる。こんな観光地のど真ん中に住んでて騒がしくないのだろうかと思ったが、まあ京都も似たようなもんか。
トリブナーレ通りにあるナポリ大聖堂に到着。イタリアに限らずヨーロッパの各都市には必ず大聖堂(ドゥオーモ)がある。日本で言うところの、神社の中でもグレードの高い神宮や大社に近いものだろうか*4。
ドゥオーモなだけあって、中の作りは絢爛である。光の入り方が計算されているのか、ところどころで神々しい後光が指している。
特に天井は圧巻である。これを作るのにどれだけの年月を要するのか。
光の入り方によって舞台の主役のようになっている奥さん。
こちらが正面入り口。我々は裏口から入ったようだ。教会正面のデザインをファサードと言うらしいが、デカすぎてカメラに写りきらん。
ちなみにヨーロッパのこのような聖堂では露出の激しい服での入場は禁止されている。短パンは割と判定が甘いが、肩が出ている服は判定が厳しく、何人かの観光客は中に入れず、警備員と若干揉めていた。行く時は羽織る用の服を一枚持っていきましょう。
我々夫婦は海外のお土産としてマグネットをよく買う。日本ではそうでもないが、世界的にマグネットはお土産としてメジャーであり、なおかつ安くてどこにでもあるから。この写真に写っているピザのマグネットを買ったが、買って数秒で落としてしまい、スパッカ・ピザになった。仕方がないのでもう一つ買いました。
写真にある十字マークの看板は薬局です。スイスでもイタリアでもパリオリンピックでパリの街並みを見てても思いましたが、ヨーロッパの薬局はどれも似たような見た目です。十字マークと緑色ネオンで「Pharmacy」と書かれた看板。
トリブナーレ通りをさらに西に進むと、サンタキアラ教会があります。サンタキアラ教会はナポリで一番大きなゴシック様式の教会です。聖堂や教会の建築様式にはゴシックやらバロックやらルネサンスやらあって、しかも後の時代でその時代の流行りの様式に改修されたらするので現在のその建物が何様式なのかは素人には分かりません。
とりあえずゴシック様式は割と古めの様式で、暗い時代の様式ということもあって、華やかと言うよりは厳かな雰囲気って感じだと思ってます。
中庭にはマヨルカ焼きの柱がこんな感じで並んでおり、あまり教会では見られない雰囲気です。
ランチ。正直ムール貝って今まであんま好きじゃなかったんですよ。ちょっと生臭いしモサモサしてること多いし。だからベルギーではバケツいっぱいのムール貝の酒蒸しをバーで食うとかいう話を聞いたとき「マジかよ、舌終わってんな」と思ってたんですが、このムール貝の黒胡椒蒸しは抜群に美味かったです。恐らくこの旅行で一番美味しい食い物でした。これは確かにバケツいっぱい食べるわ。
ペスカトーレ。漁師風というやつです。本場のペスカトーレはリングイネという平打ちの太麺を使うことが多いようです。これもめちゃくちゃ美味かった。ちなみに俺は甲殻類アレルギーの疑いがあるのでこれは奥さんの皿ですが、俺が食べたボンゴレビアンコもめちゃくちゃ美味かったです。
真昼間だし前をファミリー観光客が歩いていたので普通に通りましたが、本来こういった
・落書きがびっしり
・横にそれる路地がない
・街灯がなく薄暗い
が揃った路地は、犯罪現場として使われる可能性が高いので絶対に通るなと様々なガイドブックに載っています。気を付けましょう。
これはガレリアというショッピングセンター。コレラの大流行があった19世紀に、荒廃したナポリの再開発のために建てられたものだとか。要は三越ですねえ。
ガレリアを後にし、沿岸部へと歩みを進めます。海鳥ちゃん。
プレビシート広場にあるサンフランチェスコディパオラ聖堂。階段を登るとたくさんのゴミが落ちており、「海外やなぁ」と言う感じ。花束が落ちてたんすけど、昨夜ここで何かしらのドラマがあったのか?
かつてのブルボン王家の王宮。聖堂は基本的に無料で入れますが、ここはお金を払って入場。
真っ白で綺麗。さすが王宮という作り。
写真を見返していて思うのは、俺はこういう中心からのパースを感じる構図の写真が好きなのかもしれない。面白みがない人間だ。
右の窓だけ若干でかいのが気になる。面白みのない人間。
王宮にはお庭もあり、そこからヌォーボ城が見える。海外のお城と聞くとシンデレラ城のようなものを思い浮かべる人も多いかと思うが、俺はこういう湾岸要塞みのあるお城が好き。
お庭では多くの市民が日陰で寝っ転がっている*5。それなりに乾燥してるので日陰は確かに若干涼しいが、とはいえ暑いぞ。時折臭いし。
お決まりのジェラート。上のチョコ味のジェラートがまあ馬鹿みたいに濃厚で甘くて猛暑にはこたえました。夏はソルベに限る。
湾岸から見えるベスビオ火山。この火山の大噴火によってポンペイは滅んだ。ナポリの街並み、ベスビオ火山、ソレント半島が揃った景色は景勝地として親しまれ、ナポリが世界三大美港に数えられる所以でもある。
ドイツの著名人であるゲーテも「ナポリ見たことないとか人生損してない?」と言ったとかなんとか*6。いつの時代も「◯◯してないとか人生損してない?」とか言ってくるめんどくさい奴はいたんだな。
半裸おじさん。肌を焼いているんだろうな。
肌焼きに勤しんでいたであろう人たちのクルーズ。
俺はいつも疑問だが、なぜ肌を焼きたがるのか。俺も歳を取ったら肌を焼きたがるのだろうか。
スイスでは味わえなかった猛暑と長時間の徒歩で疲れきったので、海沿いを歩いてホテルまで戻る。
ホテルで小休止した後、同じく海沿いにある評価の高いピザ屋でディナー。1人1枚頼んだが、いやデカすぎるだろ。顔を隠しているので伝わらないだろうが「え、これマジで1人で食うの?ホントに?笑」という顔をしている。
なんでも、ナポリではピザは1人1枚がマナーなんだとか。ただ、ナポリなどのイタリア南部の方では「ホストはゲストが食いきれないぐらいの量の食べ物をサーブする」という慣習があるらしく、普通に残していいらしい。ということで耳を残した。
味は美味かったが、まあ日本で食えるかなという感じでランチほどの感動は無かった。日本でも「ナポリで修行してピザの選手権で1位を取りました」みたいなピザ屋が沢山あるし、あまり日本と差はないかもしれない。イタリアではピザではなくパスタを食おうと心に決めた。
ちなみにホテルからピザ屋への道は大変治安が悪かった。小汚い男がフラフラ歩いていたり、写真のような感じでゴミが散乱して悪臭を放っている。ホテルの中自体は綺麗だったが、地区的にはかなり外れだったと思われる。
本日はここまで。
良い思い出と悪い思い出が半々くらいのナポリだったが、飯は本当に美味しかったので、今度来る機会があればもっと計画を練って食い倒れたい。
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