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ゴールデン暇

天高く新型コロナ舞う春、皆様いかがお過ごしでしょうか。

(という書き出しで記事を書き始めてから一か月が経ちました)

 

 

現在は既にGWというやつに突入しているわけですが、話し相手もいない部屋に籠ってこれから1週間も過ごすのかと思うと気が滅入る思いです。明日明後日が仕事というのがありがたいくらいです。

 

 

おまけに新型コロナの影響なのか分かりませんが仕事がとてつもなく忙しく、新入社員の指導も相まって弊部署はてんてこ舞いでございます。世界的に不況なこのご時世にありがたいことなのかもしれませんが。

 

 

つーーーーーーーーーーーーーわけで(?)、今回は自分の仕事内容について書いていこうかなと思います。

 

めちゃくちゃざっくりいうと、自分は分析会社で勤める分析員です。分析会社というのは、何について分析するにしても「顧客から依頼を受けて」「依頼内容に則した分析をして」「分析結果報告を商品として顧客に提供する」というのが主流かと思います。

 

その中でも自分は有機化合物に関する分析を専門としているわけなんですがぁ……まあそんなことを書いても読者の何人に伝わるの?という話です。普段使っている知識も装置も全人類の9割以上が一生触れることが無いはずのものですから。なので有機化合物という単語は忘れてください。

 

例え話として、自分はこれから

「アイドルに関する分析を専門とする人」

として自分の仕事内容を書いていきます。良いですか。

 

多くの人は現段階で「は?」でしょうが、とりあえず読んでいってくださいよ。例え話ですから。もし何が何の例えなのかが全て分かったとしたら、同業者の可能性が高いですね、仲良くしましょう。

 

 

 

 

依頼内容

 僕のもとにはアイドルに関する分析の依頼がファンやプロデューサーから毎日飛び込んできます。その依頼内容をいくつか紹介します。

 

「推しのアイドルグループにめちゃくちゃ好みな新人が加入したんだけど、この子に関する詳細な情報が欲しい」

「アイドルを職業とする人を適当に集めたんだけど、この中に嵐の相葉君っていますか?」

「このアイドルグループのうち、一番塩対応な奴を教えて欲しい」

「女性アイドルユニットを作ったはずなのに、実は女装した男が紛れ込んでいるらしい。誰が男か教えて欲しい」

 

つまりは「人の集団に関して、特定の個人を見つけ出したり、ある条件に当てはまる人の割合を算出する」というのが基本的な流れです。いやいや、割と簡単そうじゃない?と思うでしょう。でも、「この世界」ではそうも行かない事情があるわけです。

 

 

「この世界」

・依頼として渡された人の集団は、マジックミラー号に乗っている

 何故かマジックミラー号に乗ってんすよ、人たち。そして中の人たちをマジックミラー号から降ろすには、本人たちの意思が必須で、もちろん僕がマジックミラー号に乗ることはできません。マジックミラー号を知らない人はお父さんかお母さんに聞いてみよう。ネットで調べると見たくないものを見る可能性があるので気を付けてね。

 

・中の人たちも、一人ひとりマジックミラー箱に入っている

 入ってんすわ、一人一人も。つまり身長や顔などといった外見的特徴を全く確認できないんすよ。

 

自分で作っといてアレですが、なんだこの世界観?でも、こんな世界じゃ上に書いた依頼をすぐにこなすのは難しそうですよね……。

 

ていうかプロデューサーは何をもってユニットを作ってんだ?ファンは何をもってそのユニットを推してるんだ?という問いは無しにしましょう。所詮は例え話ですから。

 

 

 

依頼を受けました

今回は先に書いた「アイドルを職業とする人を適当に集めたんだけど、この中に嵐の相葉君っていますか?」という依頼を受けたものとして話を進めましょう。相葉君には悪いですが、個人名があると話を進めやすいので……。

ちなみに相葉君にした理由はちょうど今テレビつけたら相葉君だったので(相葉君だった?)。

 

ともかく仕事を始めましょう。仕事の大まかな工程は以下です。

1.邪魔な奴らをどかす

2.残った奴らを細かく分けて、一人ずつ調べる

 

1.邪魔な奴らをどかす

依頼者は「アイドルを職業とする人を適当に集めた」と言ってましたね。ということは、男性アイドルも女性アイドルもごちゃまぜにいるはず。相葉君は男性なわけですから、わざわざ女性アイドルまで調べる必要は全くないですよね。工程2の作業は割と時間がかかるので、調べるまでもない人を減らしてなるべく工程2の作業を減らしたいわけです。

今回に関して言えば女性アイドルは邪魔です。どかしましょう。*1

 

 

どかす案は色々ありますが、特定の人の興味を誘う物を入れたマジックミラー号をもう一台用意するのが良く使う手です。

・甘々なスイーツが入ったマジックミラー号

 女性アイドルは比較的移ってくれそうですね。相葉君がスイーツにつられないとは言い切れないですが。なのでもっと根本的に分けましょうか。

 

・ドレスの試着コーナーがあるマジックミラー号

 さすがにこれを率先して着たがる男性アイドルはいないっしょ。これで男女をある程度分けられるはずです。ドレスなんて着たくないという女性アイドルはもうしょうがないのでほっときましょう。

 

・バイクの新型モデルがあるマジックミラー号

相葉君はバイク乗りなので、こういうので分けるのも良いかもしれません。もしかしたら男じゃなくて相葉君だけ移ってくれるかもしれないし。

 

とりあえず今回はドレスの試着コーナーがあるマジックミラー号を選択しましょう。これで女性と男性を大まかに分けられました。次に行きましょう。

 

 

2.残った奴らを細かく分けて、一人ずつ調べる

さあここからが正念場、一人ひとり分けましょう。集団の状態でいられると調べようがありませんから。だって全員箱に入ってんだもの。

 

どうやって分けるかというと、外見は見えないので個性で分けましょう。

 

まず、マジックミラー号に連絡通路を付けます。飛行機の搭乗口みたいな感じで。その連絡通路に一列でアイドルファンを並ばせて、マジックミラー号に入ってる人を歩かせます。ファンは自分の推しがいるかもしれないわけですから、握手を求めてきます。アイドルの中には塩対応な人も神対応な人もいるわけですから、全員と握手して歩く人もいれば、そこそこに握手して後は素通りする人、そもそもファンと一度も握手しない奴もいるかもしれませんね。そうすることで、各アイドルが連絡通路を通過する時間が変わってきます。この通過時間の差は各アイドルの個性(ファン対応)の数値化と言えるでしょう。

え?箱に入ってんのに何で握手したり歩けるかって?

うーーーーーーるせえ伸縮自在なんじゃ。

 

ここで大事なのは「どんなファン層で行列を作るか」ですね。

・男性のファンだけ並べる

 工程1で男性アイドルに絞ったので、このチョイスは微妙かもしれません。ファン側もアイドル側もモチベーションが低く、握手があまり起こらないかも。

 

・男性アイドルのファンだけ並べる

 これは一番シンプルな分け方ですね。

 

・嵐のファンだけ並べる

 中には「自分のグループも好きになってほしい」というポジティブなアイドルもいるでしょうが、やっぱり嵐のメンバー以外はモチベ下がって握手したがりませんわな。ただこういうニッチな行列を作るには費用がそれなりにかかります。

 

まあ現実的に、今回は男性アイドルのファンだけ並べましょうか。

工程1で5人のアイドルが残ったとして、工程2では各アイドルの通過時間がこんな感じになったとします。

 

一人目:1分30秒

二人目:1分45秒

三人目:3分55秒

四人目:3分56秒

五人目:5分00秒

 

三人目と四人目の通過時間が近いのはファン層のチョイスミスですねぇ。

こういうのが後々面倒なことにつながる場合がありますが、分けちゃったもんは仕方ないですから、次に行きましょう。

 

 

どうやって調べます?

結局、一人ずつ分けたところで各アイドルが誰かは分からないですね、何せマジックミラー箱に入ってるわけですから。だからそれぞれのアイドルをもう少し調べる必要があります。

 

①反応を調べる

一般的なのは、連絡通路の出口に色んなものを置いて、各アイドルの反応を見る方法です。

・紫外線を当ててみる

 美容健康に気を使ってるアイドルは嫌がる反応を示すでしょう。TOKIOとかはあんまり気にしなさそう。

・静電気

 アイドルだけでなく、多くの人が反応を示すでしょうが、これはこれで必要な時があります。

・イグアナ触れ合いコーナー

 相葉君は志村どうぶつ園のキャリアがあるので親和性高そうですね。割と嫌がる人は嫌がるし、これも良いかもしれません。

 

ただし、この手法で個人を特定するのは正確性が微妙です。この手法で特定するには、実際にマジックミラー箱に入っていない相葉君を後日雇って、同じように連絡通路を通して出口で反応を見ます。

 

例えば、三人目のアイドルがイグアナとめちゃくちゃ触れ合ったとして、後日相葉君も同じ通過時間でイグアナとめちゃくちゃ触れ合ってたとしたら「三人目の人が相葉君の可能性が高いね」ってわけです、が……どうすかねこの評価方法?

握手もイグアナも所詮は反応ですし、全部内面だけで特定まで持っていくのは信ぴょう性が薄いですよね。なので、もっと詳しく調べたい場合は、満を持して外見を調べに行きます。

 

 

②外見を調べる

調べようにもアイドルたちはマジックミラー箱に入ってます。マジックミラー箱を無視する特殊な装置を使う必要があるため、①に比べてお金がかかりますが、正確性は高いです。より正確性を高めるなら、反応を見つつ外見を調べる場合もあります。

・身長

 身長はファンサイトやWikipediaにも乗っている公式情報なので、通過時間とイグアナと身長が一致していれば、三人目が相葉君である可能性は高いですよね(公開情報はサバを読んでないものとする)。同じ身長の人もいるかも知れませんが、この装置は身長だけでなく首や股下や腕の長さも調べられる場合があります、ZOZOスーツみたいに。このパターンまで一致していたら、さすがに大丈夫でしょう。

 

・レントゲン

・指紋

ぶっちゃけめちゃくちゃ正確に調べるならこの二つが良いですが、費用はバカ高いし時間もかかるので顧客からふんだんにお金を頂くことになります。そこは顧客次第ですねぇ。

 

 

ここまで調べたら、調べた結果を報告するわけです。「相葉君、いるっぽいすよ」てな感じで。で、それまでの調査費用を頂くという感じですね。自分で言うのもアレですが、なんか分析員ってより探偵みたいですね。

 

 

めんどくさいところ

・結果に関して断言できることは少ない

 結果に関してはあくまでも推定であること場合が殆どです。マジックミラー箱を剥がすことは今の人類にはできないのです。だからちょっとモヤモヤしたりします。

 

・制御できる範囲には限界がある

 アイドルにとって僕ら分析員は上司でも何でもないので、基本的に言うことは聞いてくれません。上手に誘導する必要がありますが、それも限界があるわけです。

 

例:

「集団に相葉君はいたけど、仲良しのアイドルとの会話に夢中で一人の時より早く連絡通路を通過してしまった」

「集団に相葉君はいたけど、相葉君に恨みを持つ人間が忍び込んでいて、殴って気絶させてしまった」

 

まあ逆に言えば、開き直って仕事に臨めるので楽ですが……。

 

 

 

・顧客の専門性

顧客はただアイドルが好きだったり、アイドルを作るプロなだけで、分析に関しては素人であることが殆どなわけです。だから顧客からの情報を信じすぎると痛い目に遭う場合があります。まあここは営業さんの腕の見せ所なんですが、そりゃピンキリですよね。

 

例:

「アイドルを職業とする人を集めたと言っていたが、調べてみたら全員ネコだった」

「相葉君がいるか確認してほしいと言っていたが、顧客は二宮君のことを相葉君だと思っていた」

「そもそもマジックミラー号の中に何も乗ってなかった」

 

 

・在宅勤務などできるはずがない

今の状況特有の辛いところですが。

いや、家にマジックミラー号入んないすから(笑)

というか箱に入った人なんて気持ち悪くて部屋に入れたく無いし、連絡通路だって入らないし。ってな感じで家でできるのは分析結果を書面にまとめるくらいなので、出社するしかないわけです。

 

 

 

 

 

以上です。いやあ長々と書きすぎて例え話なのに結局分かりにくい感じになってますが、読んでいただけたら幸いです。さいなら。

*1:ちなみに新型コロナウイルスの検査実施数を無暗に増やさないのも同じような理由です