「昨日のドラマ観たか?」
『新垣結衣の?』
「話が早いな」
『それで?』
「添い寝のシーン」
『が?』
「羨ましかった」
『…へぇ』
「終わりじゃねえよ!」
『はぁ』
「そこで俺は思ったわけだよ」
「田中圭に腕枕をしてもらう女、新垣結衣に添い寝してもらう男、どっちが幸せなのかなぁ、って」
『良かったな』
「終わってねえって!どうお前は?どっちが幸せだ?」
『選択肢が不十分』
「は?」
「……一緒じゃん」
『全然違う、してもらうのとできるのは栄作とB作くらい違う』
『してもらうのはAV女優の童貞卒業企画と一緒だ』
「……分かるようで分からんが、結局どれが一番幸せだと思うんだ?」
「下らねえ意見だな、哲学の時間じゃねえんだよ」
『限定付適正意見だよ』
「は?」
『ドラマの中で松田龍平が言ってただろ、限定付適正意見、監査用語』
「全く記憶に無い」
『もう少し視覚以外で情報を取得する練習をしような』
「いーーーーーーから!!どういう意味だっけ?」
『多少の問題があっても、概ね問題なければおっけーって意見』
「……だから?」
『添い寝してる女が新垣結衣じゃなくても、腕枕してる男が田中圭じゃなくても、隣にいる奴が好きな相手ならそれで幸せだろ』
「だーーーから、そういうことジャネーーーーンだよ!!!!!!!!」
『はぁ……』
「もっと偏差値を下げて会話してくれ、そこらへんの専門学生ぐらいまで下げろ」
『最近の専門卒は上手くやれば儲かるぞ』
「もういーーーーから、どれが一番幸せなんだ?」
『……』
…………………………………………………………
『俺は』
『暑いから1人で寝たい』
「はぁ………」