仮説トイレ

わかられた…

どっかにいこー/Theピーズ

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俺はこの日、間違いなく人生の極致、極地にいた。

 

世界一周者でもその治安の悪さから踏み入れない禁断の地・中米。

その中でも治安最悪、殺人強盗多発地域と呼び声高いエルサルバドルの首都サンサルバドル

 

3月17日、この日俺はホンジュラスからエルサルバドルの国境を越えた。

危ない土地は日の出ている内に移動するという旅行者の原則に従って、誰も起きていない宿の裏口を抜け、朝5時始発のバスに飛び乗った。

しかし、インフラの整ってない山中の一本道は工事中に工事中を重ね、国境に着いたときにはすでに時間は17時を回っていた。

 

国境は山地、宿もない。

首都サンサルバドルに向かう他に方法はなかった。

 

バス停の場所は分からなかったが、小さな空き地のようなところからバスが出てくるのが見えた。

「次のバスに乗ろう」と思い、トボトボと大きなバックパックを背負い歩いた。

 

そこには4台のバスがあり、「これでやっとサンサルバドルに行ける」と安心した。

しかし、そこにいた如何にもお金の無さそうなみすぼらしい格好をした少年が「ノー ブス、ノー ブス、マニャーナ、〇〇✖︎✖︎△△タクシー」と叫ぶ。あとは何か言ってたがわからなかった。

 

スペイン語がわからない俺でも、これは「バスはない、明日だ、タクシーを使え」と言う意味だとわかった。

これは貧困国である詐欺だ。

お金を持っている旅行者に「今日はバスはないよ」と嘘を教え、タクシーに乗らせる。その見返りとして、その人に幾らかのマージンが入る。

 

これまで何回かその詐欺を見て来たので、コーラ中毒者なのでコーラを飲み、ニコチン中毒者なのでタバコを吸いながらひとり次のバスを待った。

俺の次の来たのは、中米では珍しくスーツを着た現地人男性だった。

少年はその男性に対しても、「ノーブス」と言う。

やはり何を言ってるかわからなかったが、2・3分の会話ののちに男性は諦めて国境側に去っていった。

 

彼も俺と同じ、騙されている可哀想なひとだと同情した。

しかし、その後すぐに少年はバスの清掃を始めた。

 

俺は騙されていたのではなかった。

少年はバスの清掃員だったのだ。

本当に今日のバスはないのだ。

 

スーツの男性を追いかけ、彼に俺の数少ない知っているスペイン語で「キエロイール・サンサルバドル」「サンサルバドルに行きたい」と伝えた。

 

彼は諦めたような表情で、国境の向こう側の向こう側を指差して「今日はホンジュラスに戻って、宿を探そう」と俺よりも語彙力のない英語で言った。

 

俺にはとにかく時間がなかった。

1ヶ月後のパナマ発の帰国航空券を買っていた。

 

それにお金もなかった。

それまで自由に使えるお金も300ドルしかなかった。

こんな辺鄙な町に安宿など無いと思った。

 

という2つの理由はさておき、

この日は俺がサンサルバドルに着くと決めてた日だった。

スケジュール帳にも書いてあった。

 

しかし、スペイン語がわからないのは俺の落ち度。

治安最悪と言われるこの地では、現地人の言うことは聞かざるを得なかった。俺はホンジュラスに引き返すことにした。

 

彼の後ろを金魚のフンのように歩いて国境まで戻った。

国境に着き、「さすがに国境のおっちゃんなら英語しゃべれるやろ」と言う偏見で、ダメ元で車の税関をしておるおっちゃんに「ドゥーユースピークイングリッシュ」と尋ねた。

 

おっちゃんはすかさず「Si」と答えた。

英語で聞いたのに、スペイン語だったけど「はい」と言う意味だ。

 

「I wanna go to サンサルバドル!!」

と伝えると

英語で「よっしゃ!すぐ友達呼んだるわ!」と言うので、現地人の男性とその友達とやらを待つことにした。

 

おっちゃんの友達は俺の感覚、日本人の感覚では、おっちゃんの友達、すなわち知り合いという感覚だったが、おっちゃんは国境を通るあらゆるトラックというトラックを止め、どこに行くのか訊き始めた。

 

そして、ようやくおっちゃんがサンサルバドル行きのトラックを見つけ「サンサルバドル!!!!」と叫ぶと感覚が中米ボケしていた俺は「サンサルバドル行きだー!!!!」となって自称サンサルバドル行きのトラックに乗り込んだ。

 

そこまでは良かったが降ろされたのは、自称サンサルバドルの僻地。

サンサルバドルから20km。

真夜中、国道の真ん中。

 

トラックに運転手は「ここでバスに乗ったら、サンサルバドルに行ける」といったが、超高速で走るバスが真っ暗の中、必死に手をあげる俺たちに気付くわけはなかった。

 

道中を共にした男性だけが頼りでまたも金魚のフンのように大きな荷物を背負って付いてくる外国人の俺、すなわち現地人からしたら歩く金塊の俺(実際には300ドルしか持ってない)が邪魔だというのは俺にも分かった。

でも、スペイン語もわからずこんなところに来てしまった俺には頼る人もいなかった。 彼は「ガソリンスタンドなら、安心だ。あそこはポリスマンがいる」と言って、すぐ近くの大きなガソリンスタンドに連れていってくれた(たかが数100mなのに、彼しか見ていなかったのと右側通行なのを忘れて、左側を見ながら道路を見て道路を渡ったので100km/h超えで走る車にひかれかけた)。

ガソリンスタンド(中米のガソリンスタンドはとても大きくて売店があってスーパーマーケットみたいな感じ)に着いたが、 彼がポリスマンと言っていたのはただのショットガンを持った警備員だった。

警備員がショットガンを持っている(東アフリカでも警備員は長い棒きれしか持っていなかった)のは治安の悪さを物語っていた。

そして、俺の金魚だった彼はどこかに消えていった。

もしかしたら、彼の家がこの近くにあってこの場所を指定したのかもしれない。 でもここまで無事辿り着いたことに感謝しかなかった。

 

ガソリンスタンドのおっちゃんはスペイン語しか話せず、スペイン語のわからない俺は彼が何を言っているのかわからなかった。

そこに偶然、サンサルバドルでボランティア活動をしているコスタリカ人が給油に来た。彼は俺より英語が喋れた。

彼は「ここに誰かがピックアップに来るの?」と心配してくれたが、明日のバスを待っているのを「ピックアップ」と呼ぶのかどうかわからないのでとりあえず「イエス」と答えた。そのあとで、「明日のバスを待ってる」と付け足した。「夕飯食ったか?」と聞かれたので「食ってない」と答えると、おつまみみたいなビーンズの入った袋をくれた。

めちゃくちゃしょっぱくて、ほぼ塩の味しかしなかったが、お腹が空いてたので一目散に食べた。その後もいろいろ聞かれたけど、英語もよくわかんないので「オー!」とか「イエス!」とか相槌を打つことに専念した。

 

そして、そのお兄さんもどこかに帰っていった。お兄さんは結構本気で心配していたらしく、帰り際に警備員にスペイン語で俺のことをいろいろ話してくれた。

 

こうして、このガソリンスタンドは公式に俺のキャンプ地と決定した。

 

その時の俺が何を考えてたかわからないが、その時に警備員のおっちゃんと撮ったのがこの写真だ。

 

今振り返ってみると、俺がこれまで何事もなく40ヶ国以上を旅できたのは出会った人たちのやさしさである。

ってことは大前提として、 俺自身がずっと笑顔でいれたからだと思う。

 

そんな俺は2ヶ月前から精神科に通っています。 うつ病らしいです。

自分でも恥ずかしく思います。

 

今、お酒を飲んでいるときしか何もできない。

ブログを書いている今でもラム酒をガブ飲みしている。

でも、みんながどんなに大変な時でも笑顔でいれたらどうにかやっていけると思う。

みんな笑顔になれる場所を探してください。

 

どうにもならなかったら、サンサルバドルに行ってみてください。

ブッチャーズをピーズを聴いてください。