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可能性の鉱石 モシカサイト

有り余る愛

前回の記事でも触れたが、床下がこの共同ブログのメンバーに名を連ねていることについては未だに疑問が残り、完全に消化不良だ。

 

確かにこのブログが開設される発端となったキャスを床下は聴いていた。トイレに行っている間に共同ブログを作ろうという話題で盛り上がっており、床下はノリノリの管理主と他メンバーのやりとりに参加するでもなく、ただじっくりとその様子を聴いていた。そしてその場でブログを開設、朝起きれば床下もメンバー入りしていた。多くの人間はこの時点で戸惑いながらも

 

「え?!自分も仲間に入れてくれるの?!?!!!嬉しい!!、!!!ー!!!れ!!!!!」

 

となるはずだが、床下はそうはいかない。床下の度を超えた天邪鬼精神は、全てを反転させる力を持っている。歓喜は憤怒に、悲哀は快楽に、愛情は憎悪に変換される。YesをNoと言い、天国は地獄と化し、おにぎりはパンに変わる。床下の前では全てが鏡に映され、その性質とは相対するものに変貌する。対義語辞典として活用してくる友人さえもいる。

 

待ってくれ。おにぎりとパンは果たして対義語だろうか。

おにぎりは米を炊き上げ、塩をまぶして握った言わずと知れた炭水化物界の虎。

一方パンは、遠い異国の地、降水量の少ない地域においても育つ小麦に発酵の力を取り入れたもの、つまり炭水化物界の龍だ。

この二つは決して相対するものではなく、双璧をなす炭水化物界の両雄だ。共に死地を切り抜け、多くの人類の食文化を支えてきたのではないのか。そういう意味では床下は類義語辞典にもなりうるということを皆には覚えていてもらいたい。

 

 

 

 

 

 

違う。

床下は炭水化物について語りたいわけでも自身が類義語辞典になりうる旨をお伝えしたいわけでもない。パンを食べたい欲望が閾値を超えてしまったことについては謝る。

 

つまるところ床下は、戸惑いを隠せずにいる。無償かつ致死量の愛を受け取ってしまったがために、最近の言葉を借りるのであれば、心が叫びたがってるんだという状態だ。しかし心が叫びたがっていたとしても、動く身体はその精神とは逆の行動を取ってしまう。その精神と身体の乖離がこの疑問をいつまでも払拭しようとしてくれないのだ。

 

ところで、床下は前回の記事でこの疑問について既に克服の一手を示したはずと思った人は少なくないだろう。確かにそう、床下はこの共同ブログにおいて必要とされる存在、もとい食されるゴキブリになると決心した。食用ゴキブリとして生きていけなければ、冷却スプレーで一瞬にして体液が凍りつくゴキブリが如く、粛々とメンバーの更新するブログを観察する蝋人形になってしまう。では、どうすれば床下は食用ゴキブリになれるのか。勿論ブログを書くということは当然前提である。肝心なのは、床下は誰が為にブログを書けばいいのかということだ。

 

床下の愛するBase Ball Bearというバンドに「それって、for 誰? part1」という曲がある。この曲はスマートフォンSNSの普及により生まれた「それって、for 誰?」と問いたくなるようなことを批判的に歌っている。

 

いまどこで何してるかでしょ。
惚れた腫れたの一部始終でしょ。
青空に手書き風に描いた人生ポエムもそう。
で、それって for 誰?

 

虎視眈々の鬼の首ハンターでしょ。
手作り名札貼り逃げ係でしょ。
腕まくりして出てくる余計な一家言ボマーもそう。
で、それって for 誰?

 

表現物が批判や嘲笑を受けるか、それとも賞賛されるのかというところには、for 誰が明確にされているかどうかに左右されると考えている。Base Ball Bearの曲でも大サビで

 

『こういうこと言っちゃってるこの曲』をfor you

 

と歌っている。you のために歌っている。
aikoはいつだって「あなた」のために歌っているし、ブルーハーツはいつだって「僕ら」のために歌っているし、カラオケでの山田さんはきっと「みんなーーーーーーーーー」のために歌っている。

 

では床下は誰のために歌えばいいのか。いや、ここは敢えて歌うという表現を使わせて欲しい。というか歌いたい。カラオケに、行きたい。行きつけのビッグエコーaikoのボーイフレンドのサビを「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、ーー」と歌い出したい。

 

この段階に来るまで随分と寄り道をしたが、たどり着いた結論は、床下は for メーンのために歌うということ。ブログと言えば閲覧可能な人類全てに発するものであるような気がするが、ここは敢えて、同じ編集者である9人、メーンのためだけに歌おうと思う。

 

では床下は、for メーンで「何」を歌えばいいのか。今夜も疑問は尽きない。

 

ところで、床下は去る9月9日、24歳の誕生日を迎えた。土日の休みを使って研究室メーンと親睦旅行の最中なのだが、先ほどサプライズのバースデーパーティーが開かれた。床下はモリオカさんとは正反対に、サプライズというものがひどく苦手だ。どういう反応をすればいいのか分からない。しかし研究室メーンはそんな床下の何とも言えない表情をとても喜んでくれていた。

 

無償かつ致死量、更には理解という隠し味まで含めた愛、完全に消化不良だ。

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